ゲームにおける物理シミュレーションは産業用やCAE向けの物理シミュレーションとは異質なものである。そのシミュレーションの内容や結果が、現実世界に即していなくても、プレイヤーが得られるプレイ感覚として正しければ良しとされる。よくよく考えれば映画や絵画におけるライティングも物理的には正しくないアプローチがしばしば用いられる。
今年は「ゲーム向けの物理シミュレーションとは何か」と言うテーマについて、パネリストの方々に意見を覗っていく。
講演者プロフィール
西川 善司
日立製作所ソフトウェア事業部を経て、1995年に独立。IT全般、映像技術、ゲーム技術などのテクノロジー分野にフォーカスしたテクニカル・ジャーナリストへと転身する。
近著に「図解:次世代ディスプレイが分かる」(技術評論社刊)、「ゲーム開発者になるための3Dグラフィックス技術」(インプレス刊)、「3Dゲームファンのためのグラフィックス講座」(インプレス刊)などがある。
《講師からのメッセージ》
原田 隆宏
Takahiro HaradaはAMDのresearcherであり、GPU computingの可能性の探求をしている。主な焦点は物理シミュレーションである。AMDの前、彼はHavokにてPCとゲームコンソールにおけるリアルタイムシミュレーションの研究開発に従事していた。彼はThe University of TokyoでPhDを取り助教であった。
西田 祐輔
2003年に東京大学大学院で修士号を取得したのち、コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(現・コナミデジタルエンタテインメント 小島プロダクション)に入社.メタルギアソリッド3(MGS3)以降のMGSシリーズでプログラムを担当.
MGS4では物理エンジンを作成.他にもアニメーション、コリジョンなど、主にエンジンプログラムを担当することが多い.現在はFOX ENGINE担当.
松生 裕史
CEDEC2009 ゲーム物理の扱い方
CEDEC2010 ゲーム開発マニアックス(物理シミュレーション編)
Game Physics Pearls(A K Peters Ltd.)の第3章を執筆
《講師からのメッセージ》
松宮 雅俊
1975年生まれ。2002年 奈良先端科学技術大学院大学 博士課程修了。博士(工学)。
2007年12月より株式会社カプコンに在籍。
社内共通エンジンMT FRAMEWORKの物理シミュレーション担当。
主にソフトボディ/布シミュレーションや流体シミュレーション、GPGPUの研究開発に従事。
CEDEC 2010にて講演。
辛 孝宗
オンラインカジュアル 「ポトリス」シリーズ開発
2007年に東京大学大学院で修士号を取得
物理エンジン「Octave Engine」開発
iPhoneアプリ 「Aqua Forest」などに関わる
CEDEC2007 次世代物理エンジンの開発
CEDEC2008,MS Gamefest2008 デザイナのための2D物理
CEDEC2010 ゲーム開発マニアックス(物理シミュレーション編)
KGC2010 物理エンジン制作の基礎
など
現在は主に物理シミュレーションの研究開発業務を担当