3Dモデルを用いた映像生成手法は、立体ディスプレイやAR合成をはじめとして、様々な状況に用いられている。このような表現は、任意の視点位置からの映像を作成できる一方で、旧来の手書きイラストに見られるような自由な誇張表現がしにくい側面がある。今回、Multi-perspectiveの方法論を取り入れて、モデルの関節部分ごとに異なるカメラパラメータを用いて映像を合成することで、伝統的な手書きの誇張表現を再現するレンダリング手法を提案する。
講演者プロフィール
宇都木 契
東京大学計数工学専攻修了後、日立製作所システム開発に勤務。
没入型映像環境(プロジェクタアレイ)、プロジェクタ重畳型立体ディスプレイなどの先進デバイスにおける映像コンテンツ開発と研究に携わる。2006年からは、日立製作所基礎研究所と共同で、光トポグラフィを用いたブレインコンピュータインタフェースの研究を行う。
2009年から、NICTからの委託研究として超臨場感映像の編集に関する研究を行っている。
苗村 健
1992年東京大学工学部電子工学科卒業,1997年同博士課程修了.博士(工学).助手,講師を経て,2000年米国スタンフォード大学客員助教授(日本学術振興会海外特別研究員),2002年東京大学大学院情報学環助教授,2006年同情報理工学系研究科電子情報学専攻(2007年准教授),現在に至る.文部科学大臣表彰若手科学者賞(2008),日本バーチャルリアリティ学会論文賞(2006,2007,2008), 情報科学技術フォーラム(船井ベストペーパー賞:2006,論文賞:2003),3次元画像コンファレンス優秀論文賞(1997,2000,2004,2006,2008,2009),エンタテインメントコンピューティング(優秀論文賞:2007,芸術科学会最優秀論文賞:2009),映像情報メディア学会丹羽高柳論文賞(1999,2008),NHKデジタルスタジアムゴールデンミューズ(年間最優秀作品賞)(2004),グッドデザイン賞(2008)など受賞多数.メディア+コンテンツ,実世界指向インタフェース,空間共有通信などの研究に従事.