ニンテンドー3DSやPS3を筆頭に、コンシューマゲームにおいても立体視(Stereo-3D)技術が急速に浸透しつつあります。
しかし、立体視が人体に及ぼすメカニズムはいまだ研究途上にあります。その一部は、3Dコンソーシアムによる「
3DC安全ガイドライン」やその他の論文などにより、広く知られるようになってきました。
これらは見やすくて魅力的な映像制作に役立つものでありますが、開発現場で十分に共有されているとは言えません
。また、調査環境の条件(フレームレートや画面サイズなど)が、各ゲーム開発者が取り組んでいるものとは異なる
場合も少なくないことから、運用面でのアレンジも必要になり、試行錯誤が続いています。
そこで本セッションでは立体視ゲームを巡る「わかっていること」と「わかってないこと」の範囲を明らかにすると
ともに、魅力的で、かつ見やすいゲームをいかに開発するかについて、参加者それぞれの立場から議論を行います。
講演者プロフィール
小野 憲史
「ゲーム批評」(マイクロマガジン社)編集長を経て2000年よりフリーのゲームジャーナリストとして活動中。共著・構成協力に「ニンテンドーDSが売れる理由」「ゲームニクスとは何か」がある。IGDA日本グローカリゼーション部会共同世話人。
石井源久
1999年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。同年、(株)ナムコ(現(株)バンダイナムコゲームス)入社。立体視ディスプレイ、特に多眼式および空間像方式の基礎研究に携わり、2004年に「フラクショナル・ビュー方式」を発表。2006年度~2009年度には(立体視に限らない)内製ミドルウェア開発に参加。2010年度より立体視コンテンツの開発サポートに従事。カラーコーディネーター検定1級(商品色彩)。
過去の講演
・Imagine! The Stereoscopic 3D Games!! ~ゲームデザインから立体視を考えよう (CEDEC2010, 2010-9-2)
・両眼視差方式の原理に基づく「快適な立体視」をリアルタイムゲームへ適用するには (DiGRA JAPAN 2011年第2回研究会, 2011-5-14)
後藤田 洋伸
1994年東京大学理学系研究科情報科学専攻博士課程単位取得退学。博士(理学)。1996年学術情報センター研究開発部COE研究員、1997年同学術情報研究系助手。2000年国立情報学研究所人間・社会情報研究系助教授を経て、2008年より現職。コンピュータ・グラフィックス、三次元ディスプレイ技術等の研究開発に従事。
大戸 友博
2001年、ソニー・コンピュータエンタテインメントに入社し、主にゲーム機の半導体の開発を担当。2007年Celliusの立ち上げと同時に出向し、ソフトウェアエンジニアとして3D立体視機能の開発に従事。2009年にソニー・コンピュータエンタテインメントに戻り、3D立体視の立ち上げ、現在は3D立体視用ライブラリなどの企画、開発を担当している。
過去の講演
・「良い」3D立体視ゲームを作るためのプログラミングとデザイン入門(2010 CEDEC)