クオリティ向上とコスト圧縮のため、外注制作の割合がどんどん大きくなっている現在の日本のゲーム業界。
そもそも「ゲーム屋」としてだけでは、社内社外を問わず、生き残りが厳しくなって来ています。
そんな中で、クリエイターとして作品を作り続けるその先には、経済的な充足、知名度だけでなく、自分の仕事を通じて、何を成し遂げたいのか、という大きなビジョン、目標が必要となります。
どうやって夢、目標を設定するのか、それをどう実際の現場の仕事に落とし込んでいくのか。
そのためには、自らの強みの分析とともに、5年先、10年先を見据えた、異業種をも含めたエンタテインメントの新しい形と、その中での自分の関わり方を、まずは自分なりに描き出す必要があります。
私自身の、ゲーム会社勤務を経て独立、アーティスト活動、ライブハウス経営、またマレーシア・スタジオの設立、現地大学のサウンドプロダクションの学科設立、睡眠導入アプリケーションの開発等を行う日比野音療研究所の設立などの経験を通じて、私自身が持つ「良い音を、良いクオリティで伝えることで、一人でも多くの人をハッピーにしたい」というビジョンをどう具体化していっているか、というところをお話しできればと思います。
講演者プロフィール
日比野 則彦
作編曲家・プロデューサー・サックス奏者大阪大学人間科学部卒、バークリー音楽院ジャズ作編曲家卒。コナミにて「メタルギアソリッド」シリーズ等の音楽を担当の後、独立し(株)ジェム・インパクトを設立する。2008年マレーシア法人を設立、現地大学との共同事業でSound Production & Engineering学科を立ち上げ中。CEDEC、GDC、CG overdrive等海外のカンファレンスで特別講義を行う。2009年バークリー音楽院よりDistinguish Alumni Awardを授与。日比野音療研究所の設立等、ゲームの枠に留まらない高品質サウンドの活用法を追求している。