今までサラウンド音響に触れることのなかった方も、「今回のタイトルはサラウンドでいこう!」と急に言われて、よく知らないし、誰に聞けばいいの...と戸惑っていらっしゃる方も、すでにサラウンドミキシングマスターで、常に上を目指している方も、サラウンド音響制作について、経験者からわかりやすい講義を受けられるセッションです。弊社からはドルビー技術とゲームについての解説、ドルビーゲームサポートプログラムをご紹介します。今回お迎えするゲストスピーカーは「ファイナルファンタジーXII」 (ドルビーデジタルプロロジックII対応)のサウンドエディターを務めた(株)スクウェア・エニックスの矢島友宏氏、また同タイトルでムービーシーンのサウンドを担当したソニーPCL(株)の染谷和孝氏です。矢島氏からは「ファイナルファンタジーXII」におけるドルビープロロジックIIへの取り組みと仕組みについて、染谷氏からはムービーシーンにおけるサラウンドミキシングについて、デモを交えながら解説していただきます。ゲーム中のドルビープロロジックIIインタラクティブサラウンド音響制作と、ドルビーデジタルを採用したムービーシーンのサラウンド音響制作について、各パートを担当した方に同じステージでお話しいただけるのは今回が初めてです。サラウンドミキシングを成功させるためのプランニングやアプローチ、またサウンドチーム内にとどまらず、いかに他チームとの連携をとりながら制作が進められていったか、など制作現場に必要な情報が盛りだくさんです。この機会に是非、経験豊富な講演者から、役立つティップスをお持ち帰りください!
講演者プロフィール
近藤 広明
ゲームサウンドクリエイター/サウンドプログラマーとして13年間(株)カプコンに勤務。同社サラウンドゲームタイトルの品質向上に貢献。代表作「Devil May Cry3」「モンスターハンター2」「モンスターハンターPSP」「バイオハザード4」(すべてサウンドドライバを担当)。(株)カプコンを退職後、 2006年にドルビー入社。ゲームオーディオのためのサポート業務を行っている。サウンド制作からプログラミングまでの幅広い経験と知識を元に、サウンドデザイナーだけでなくサウンドプログラマーまで、ゲームオーディオに関わる全ての職種を実践的にサポートする。『次世代ゲームコンソールでは、サラウンドの使い方のセンスが鍵!?』
矢島 友宏
株式会社スクウェア・エニックス サウンド室所属。職種、サウンドエディター。代表作は「ファイナルファンタジーXI」、 「ベイグラントストーリー」、「ゼノギアス」など、最新作「ファイナルファンタジーXII」ではインタラクティブなサラウンドにも挑戦。
受講者へのPR・メッセージ
「ファイナルファンタジーXII」のサラウンドや音の演出は、今までの私の関わってきた開発技術の集大成になりました。サラウンドを付加する事でゲーム自体にどのようなプラスが望めるのかを今後も考えていきたいと思っています。
染谷 和孝
1963年、東京生まれ。東京工学院卒業後、(株)ビクター青山スタジオ、(株)IMAGICA、(株)イメージスタジオ109を経て1995年Sony PCL 株式会社に入社。2000年7月、同社に日本初のTHX pm3の認定を持つスタジオを完成させる。現在、マルチチャンネル作品を多く手掛けるサウンドデザイナー、MAエンジニアとして活動中。
*これまでの主な作品及び担当
2000年 (株)スクウェア制作「バウンサー」のエンジニアを担当。 この作品はゲームメディア初の5.1ch作品、2000年JPPAアウォード プログラム・部門ゴールド賞受賞
2000年 キングレコード(株)制作「ねこぢる草」のサウンドデザインを担当。この作品は2000年JPPAアウォード・ミキシング技術 ドラマ部門ゴールド賞、2001年ファンタジア映画祭 「最優秀短編賞」、「批評家賞」を受賞。
2001年 (株)スクウェア制作「ファイナルファンタジーX」(5.1ch作品)のエンジニアを担当。
2002年 (株)ニッテンアルティー制作 岩井俊二監督作品「コーセーサロンスタイルTVCM」のサウンドデザイン及び、エンジニアを担当。この作品は2002年JPPAアウォード・ミキシング技術 CM部門ゴールド賞を受賞。
2002年 (株)スクウェア制作「ファイナルファンタジーXI」(5.1ch作品)、「ファイナルファンタジーX-2」(6.1ch作品)のエンジニアを担当。
2004年 (株)スクウェア・エニックス制作「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」(パイロット版)、「ファイナルファンタジーXII」のエンジニアを担当。
2005年 (株)ソニー制作 愛・地球博レーザードリームシアター(11.1CH)作品、「Our Planet」の会場システムプランニング、サウンドデザイン、エンジニアを担当。
2005年 (株)スクウェア・エニックス制作「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」、「ファイナルファンタジーXII」、「ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-」のエンジニアを担当。この作品は2005年JPPAアウォード・ミキシング技術 VP部門ゴールド賞を受賞。
2005年 スタジオ・ジブリ制作 宮崎 駿監督作品「水グモもんもん」(ジブリ美術上映作品)のサウンドデザイン、エンジニアを担当。
2005年 (株)東映制作 堤 幸彦監督、渡辺 兼主演作品「明日の記憶」のミキシングスーパーバイザーを担当。
2006年 (株)東宝制作 堤 幸彦監督作品「トリック2」のミキシングスーパーバイザーを担当。
その他、数多くのCM作品などのサウンドデザイン及びミックスを担当。