このセッションは「CEDECラボ」全体を俯瞰する基調講演的な意味を持つパネルディスカッションです。
2000年代に入って北米のゲーム開発力の向上の背景には、大学などの研究機関での技術の応用が進んだことが大きな要因として存在しています。ビデオゲームは先端の技術の集合体へと変わっており、最新研究の多数の隣接領域を持つ分野として存在感を増しています。
しかし、日本では、研究機関とゲーム産業との連携によって、実績を生み出されたケースはあまり多くありません。一方で、研究者のゲーム産業への関心は高く、ゲーム産業の課題を研究テーマにすることに関心のある研究者は多くいます。ゲーム産業の側はどのようにして連携を取り互いにとって有効な成果を得ればいいのでしょうか?
「CEDECラボ」の運営のために中心的な役割を担ったゲーム開発者と研究者との対話を通じて、学術研究機関とゲーム産業との具体的な連携の可能性を模索します。
講演者プロフィール
稲見 昌彦
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授
東京大学助手、MITコンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者、電気通信大学教授などを経て、2008年4月より現職。JSTERATOグループリーダー、日本VR学会理事、CESA理事、情報処理学会エンタテイメントコンピューティング研究会主査等を務める。光学迷彩をはじめ五感に働きかけるインタフェースを多数開発。
今給黎 隆
1972年生まれ。現役東大院生。CEDEC 2004, CEDEC 2007 講演。
津田 順平
1993年コーエー入社。3Dツール等の開発を経て現在はCG、AI、シミュレーションなどに関連した社内ライブラリの開発業務に従事。
長谷川 晶一
1997年東京工業大学工学部電気電子工学科卒業.1999年同大学大学院知能システム科学専攻修士終了.同年ソニー株式会社入社.2000年東京工業大学精密工学研究所助手.2007年電気通信大学知能機械科助教授.同年准教授,現在に至る.
EuroHaptics 2004 Best Paper Award,EuroGraphics 2004 Best Paper Award,ACE2005 Best Paper Award,日本バーチャルリアリティ学会論文賞,貢献賞など受賞.日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット学会,計測自動制御学会,情報処理学会各会員.バーチャルリアリティ,物理シミュレーション,ヒューマンインタフェースの研究に従事
三宅 陽一郎
1975年生まれ。京都大学で数学を専攻、大阪大学で物理学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。
2004年、株式会社フロム・ソフトウエア入社。ゲームにおける本格的な人工知能技術の応用を目指す。2005年、クロムハウンズ(Xbox360, ?SEGA Corporation / FromNetworks, Inc. / FromSoftware, Inc.)の製作に、AIの設計として参加。
2006年、CEDEC2006 において「クロムハウンズにおける人工知能開発から見るゲームAIの展望 」を講演。
2007年、AOGC2007 において「人工知能が拓くオンラインゲームの可能性」を講演。 2006年~2007年にはIGDA日本、ゲームAI連続セミナー「ゲームAIを読み解く」全6回の講師を務める。
(モデレータ) 新 清士
1970年生まれ。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲーム会社で営業、企画職を経験後、ゲームジャーナリストに。
ゲーム開発者を対象とした国際NPO、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)代表。東京大学ゲーム研究プロジェクト共同代表。
他に、立命館大学大学院政策科学研究科講師。デジタルエンタテイメントアカデミー講師。
著書に『「侍」はこうして作られた』(新紀元社)。最近の原稿に「オンラインゲームの歴史・分類」(『2005オンラインゲーム白書』メディアクリエイト)