In-Game Cinematics(IGC)パネルディスカッション

タグ:
日時:
2013年08月23日(金)14時50分〜15時50分
形式: パネルディスカッション
受講スキル:
IGC手法およびIGC環境に興味ある方ならどなたでも
受講者が得られるであろう知見:
IGCの基礎(どんなタイプがあってそれぞれどんな特徴があるか)、IGCの現状分析、今後のゲーム開発おいてIGCを有効活用するためのヒント
セッションの内容

In-Game Cinematics(以下IGC)と聞いてピンとくる人は少ないかもしれません。本セッションでは、IGCを「ゲーム内でのリアルタイムな演出映像」と定義して討論を展開していきます。国内では「リアルタイムデモ」が一番IGCに近い用語ですが、国内での「リアルタイムデモ」の定義は曖昧で似た用語が複数あるのが実情だと思います。

そこで、海外のIGC情報をベースにIGCを表現手法の観点からCutScene, ScriptedEvent, QuickTimeEvent(以下QTE)等に分類してIGCの現状分析を行います。その上で、今後のゲーム業界においてIGCはどのように進化していくべきかをエンジニア⇔アーティスト双方の視点から各パネラー様の経験談を交えて討論を行います。

ハイエンドコンソール・タッチパネルデバイス・アーケードといった複数のプラットフォームを対象に今後のIGCの可能性について討論を行いますので、IGCに興味ある方は是非ご参加ください。


講演資料

  • C13_170.pdf
  • C13_170.zip

※資料のダウンロードにはログインが必要です。


資料映像(CEDECチャンネルへのリンク)



講演者プロフィール

長舩 龍太郎

長舩 龍太郎
所属 : バンダイナムコスタジオ
役職 : ET開発本部未来開発部プロジェクトサポート課<br>主任 / テクニカルアーティスト

1999年にナムコ(現バンダイナムコスタジオ)入社。入社以来、TEC(プログラマ寄りのテクニカルアーティスト)として「ブレイクダウン」「エースコンバット6」「ソウルキャリバー5」等のプロジェクトで主にアーティスト向け開発環境の整備を行っている。2009年にNamco Bandai Games Americaに出向し、北米スタイルのゲームエンジン開発、「Splatter House」の開発に関わり、2010年末に帰国。2011年にIGDA日本SIG-TA第1回勉強会「北米のTA事情から今後の日本のTA像について考えてみる」、2012年にCEDEC2012「テクニカルアーティストラウンドテーブル2012 Final」で共同講演者として講演。現在は、日米双方の開発スタイルを取り入れた新たなIn-Game Cinematics(IGC)編集環境を構築中。海外TA勉強会Facebookグループ管理者。


《講師からのメッセージ》

本パネルディスカッションを通じて、In-Game Cinematics(以下IGC)関連の表現手法・編集環境の分類を行い、IGCは今後のゲームとどのように関わり進化していくべきかをエンジニア⇔アーティスト双方の視点からパネラー様と討論したいと考えています。IGCやリアルタイムデモに興味があれば、予備知識は必要ございませんので、お気軽に参加していただければ幸いです。

竹下 勲

竹下 勲
所属 : 株式会社サイバーコネクトツー
役職 : 開発部<br>リードアーティスト

2004年、サイバーコネクトツー入社。
これまで、長年『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズの制作に携わる傍ら、
2010年CEDEC講演、2011年にはGDCでも同タイトルの制作事例について講演を行う。


《講師からのメッセージ》

「キャラクター版権タイトルのアートワーク事例」ではどのような表現で、どういった事を考えて制作を進めたのかなど、具体的なお話が出来ればと思っております。
少しでも皆様が知見を得られるような講演にしたいと思っておりますので、是非ご参加下さい。

「In-Game Cinematics(IGC)パネルディスカッション」では私の方からは『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズの経験を踏まえてアーティスト目線でディスカッション出来ればと考えております。
皆様と一緒に有意義な場にしたいと思っておりますので、こちらも是非ご参加頂ければと思います。

豊田 卓也

豊田 卓也
所属 : 株式会社セガ
役職 : 第一CS研究開発部<br>リードアニメーションデザイナー

2002年からアニメーションデザイナーとしてゲーム制作に携わる。
龍が如くスタジオ所属。
主な業務はリグ作成、スクリプト作成、IGC作成・ディレクション、等。

CEDEC2012で以下のセッションで講演。
「バイナリードメインにおけるモーションワークフローの作り方」
「バイナリードメインのボディリグ・フェイスリグの構造と実機との連携」

【過去の作品】
サクラ大戦~熱き血潮に~(PS2)
サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~(PS2)
Kunoichi -忍-(PS2)
戦場のヴァルキュリア(PS3)
龍が如く3(PS3)
スーパーモンキーボール アスレチック(Wii)
バイナリードメイン(PS3)


《講師からのメッセージ》

バイナリードメインで携わったIGC(昨年のCEDECでは"PCS"とご紹介していましたが)制作の経験をもとに、具体的な問題や今後のIGC制作についてのお話しをできればと考えておりますのでご参加頂けたら幸いです。
業務ではリグ制作も行っているので、本セッションとは別の機会にその辺りの意見交換もさせて頂けたらと思っています。

平井 武史

平井 武史
所属 : ネイロ株式会社(Neilo Inc.)
役職 : 代表取締役/プロデューサー

ネイロ株式会社代表取締役。アイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社、株式会社セガを経て、キューエンタテインメント株式会社設立時にCTOとして参画。2010年9月に独立、ネイロを設立。豊富な技術経験の中でも特に、テクニカルスキル、テクニカルマネージメント、ミドルウェアリレーション、幅広い実績がある。プロデュース業務を通じて、数々の協業アライアンスも経験。
代表作:「シェンムー」「スペースチャンネル5パート2」「メテオス」「orgarhythm(オルガリズム)」。現在株式会社アエリアと協業にてオンラインRPG「klee(クレー:仮称)」を鋭意制作中。Twitter@NeiloTakHirai


《講師からのメッセージ》

ハードの進化・スマホの定着・ネットワークのインフラ整備などによってIGCは進化していきます。これまでのIGCとこれからのIGCの可能性について。また、Quick Time Event(以下QTE)は「シェンムー」で初めて導入したと言われていますが、実はさにあらず? その辺りについてお話したいと思います。

三宅陽一郎

三宅陽一郎
所属 : 株式会社 スクウェア・エニックス
役職 : テクノロジー推進部<br>リードAIリサーチャー

1975 年、兵庫県生まれ。京都大学で数学を専攻、大阪大学で物理学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。デジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(世話人)、DiGRA JAPAN 研究委員、人工知能学会会員。共著『デジタルゲームの教科書』ロングインタビュー『デジタルゲームの技術』 翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(ソフトバンク クリエイティブ)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)。ゲームAiラウンドテーブル・オン・ツイッターは毎月主催し30回以上を重ねる。論文、講演資料はWebブログを通じて公開している。「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」http://blogAI.igda.jp


《講師からのメッセージ》

今回は以下の二つのパネルディスカッションに参加させて頂きます。

- In-Game Cinematics(IGC)パネルディスカッション
デジタルゲームはエンターテインメントとシミュレーションという二つの側面を持ち、これをAIから見た場合、シミュレーション的側面には人工技術が、エンターテインメント的側面には In-Game Cinematics(IGC) が対応します。IGCは、ユーザーに向けてAIがある程度決められた役を演じることであり、AI技術は状況に対応して自ら考えて行動することです。そして、ゲームの中でこの二つが様々なタイミングで融合することで、新しいゲーム特有のユーザー体験を作り出して行きます。今回はAIがここでどのような役割を持ち、どんな機能を実現して行くかを議論させて頂きます。


- クロスボーダー「AI×認知科学」パネルディスカッション 
本講演はパネルディスカッション形式です。デジタルゲームに加えて、現代の新しいエンターテインメントでも重要な二つ新しく有望なジャンルの立場の研究者と開発者をお呼びしています。

一つは、ヘッドマウントディスプレイを用いたシステムによって、人間の現実と仮想の境界をものの見事に錯綜させた「認知エンターテインメント」とも呼ぶべき新しいエンターテインメントの地平を拓いた「SRシステム」(代替現実システム、Substitutional Reality System)です。「SRシステム」でしか与えることができない特別な経験は、宣伝やエンターテインメント全般に広い応用可能性を持ちます。

もう一つは、インターネットやリアルな世界の仕掛けを用いて、現実の中にもう一つの物語の流れを作り出すARG(代替現実ゲーム、Alternate Reality Game)です。ゆっくりとしかし確かに、長期に渡って、ユーザーが主体的に関わる物語を作りだす分野です。最近では、アニメ・ゲーム・小説をはじめ、さまざまなコンテンツと結びつき発展しており、ゲーム開発のディレクターやプロデューサーも目の離せない分野になっています。