クロスボーダー「AI×アニメーション」パネルディスカッション

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日時:
2012年08月22日(水)11時20分〜12時20分
形式: パネルディスカッション(60分)
受講スキル:
特になし。モーションデザイナー、プログラマ、両者とも歓迎である。しかし、AI分野・アニメーション分野共に、初歩的な知識を持ち合わせている事で理解が深まる。ナビゲーションメッシュ・経路探索アルゴリズム・3Dモデルアニメーション基礎・ラグドール等の物理的アプローチのキャラクターアニメーション 等。
受講者が得られるであろう知見:
次世代におけるAI・アニメーション分野の接続という中心課題に対する意識を共有することができます。また、AIとアニメーションを対象として、今後の研究していくにあたっての方向性を得られます。
セッションの内容

次世代へ向かってAIからはアニメーションへの要求が高くなり、またアニメーションからは高度化するアニメーションを制御するAIへの要求が高くなっており、相互に発展の必要性が感じられています。
AI分野・アニメーション分野をクロスボーダーし、それぞれの分野からパネラーを招待し、「AI×アニメーション」をテーマに、1)AIとアニメーションの関わり合いの現状と将来について 2)AIから求めるアニメーションとは何か 3)アニメーションから求めるAIとは何か についてディスカッションを行います。


講演資料

  • 162_AIxAnimation.pptx
  • 162_AIxAnimation_miyake.pptx
  • 162_AIxAnimation_shirako.pptx
  • 162_AIxAnimation_ueno.pptx
  • 162_BD_procedural.zip

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講演者プロフィール

南野 真太郎

南野 真太郎
所属 : ジープラ株式会社
役職 : 開発推進室<br/> 室長


2005年 ポリゴンマジック株式会社に入社。プログラマとしてアーケードゲーム/コンシューマゲーム/ソーシャルゲーム/スマホアプリ等幅広く開発に携わる。 2012年6月よりポリゴンマジック株式会社がジープラ株式会社と分社化するにあたり移籍。現在は開発推進室にて、社内のノウハウ蓄積や開発の効率化、 データマイニング等を行う仕事に従事。またそれに伴うツールやライブラリの開発も行う。
CEDEC2012においてはプログラム分野の主担当として運営委員会に参加。また、2010年からIGDA日本 SIG-AIの運営に関わり、『新・ゲームAIを横浜で語る』(CEDEC2011) 『ゲームAIラウンドテーブル on Twitter』(2010~隔月)を開催。
『ゲームプログラマのためのC++』(ソフトバンククリエイティブ)の共同監訳者の一員として参加


《講師からのメッセージ》


何か御座いましたら『mataro777@gmail.com』まで。


三宅 陽一郎

三宅 陽一郎
所属 : 株式会社スクウェア・エニックス
役職 : テクノロジー推進部 <br/> リードAIリサーチャー


1975 年、兵庫県生まれ。京都大学で数学を専攻、大阪大学で物理学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。IGDA日本ゲームAI 専門部会設立(世話人)、DiGRA JAPAN 研究委員、ACM、IEEE CIS、AAAI、人工知能学会会員。共著『デジタルゲームの教科書』(ソフトバンク クリエイティブ)、22章「プロシージャル技術」、23章「デジタルゲームAI」。ロングインタビュー『デジタルゲームの技術』(ソフトバンク クリエイティブ)」。論文、講演資料はWebブログを通じて公開している。「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」 http://blogAI.igda.jp


《講師からのメッセージ》


思考を作って行くと、思考の表現の中に身体へ指示する表現が介入して来ます。一方アニメーション制御においても、アニメーションシステムをどう構築するか、ということは、それを制御する思考との関係性において制約を受けます。AI と Animation システムというのは、二つのものでありながら、お互いに制約します。その制約を弱く構築する(ブラックボードアーキテクチャ)とか、強く構築する (Behavior Tree や、アクション・プランニング)など、いろいろなアプローチがあります。

これからの次世代のAIを考える上で、(少なくともAAAタイトルでは)思考は、複雑な環境を認識し、高度な意思決定を行い、大規模な身体を制御するために、ますますそのシステムを深くして行く必要があります。思考を深くすればするほど、身体と思考の結びつきは、だんだんと危ういものになって行きます。

思考という自律システムと身体という自律システム、二つの動的なシステムの関係性は、お互いがある程度自由でありながら、一つの有機的なシステムとして全体性を持たねばなりません。思考システム自身が大規模と深化を続ける中で、また身体のアニメーションシステムが同様に大規模化する中で、二つのシステムの間の関係性を真面目に考える時期が来ています。

[著書]
「ゲームプログラマのためのC++」(ソフトバンク クリエイティブ)監修
「はじめてのゲームAI」(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)


金久保 哲也

金久保 哲也
所属 : 株式会社バンダイナムコスタジオ
役職 : 第一開発本部 P&S部門 技術部 モーション課<br/> シニアテクニカルアニメーター


1991年株式会社ナムコ(現・(株)バンダイナムコゲームス)入社。CG映像製作、大型業務用タイトル、家庭用タイトルの開発にアニメーターとして携わる。現在、 モーションキャプチャースタジオの運営、アニメーション制作技術の開発支援に従事。2012年度より(株)バンダイナムコスタジオ所属。


《講師からのメッセージ》


「AI x アニメーション」は新たなアニメーション表現に繋がる1つの鍵であることは間違いありません。
プロシージャルアニメーションの導入は、アニメーション以外のワークフローにも大きく影響し、開発者の意識を変える大きな転換期になると考えます。このパネルディスカッションが受講される方にとって、新たなアニメーション表現へ向けてのヒントになればと思います。


白子 路央

白子 路央
所属 : 株式会社セガ
役職 : 第一CS研究開発部<br/> リードデザイナー


1997年よりモーションデザイナーとしてセガに参加。
主な業務は、モーションディレクション、制作進行管理、MC撮影現場演出、プロダクション契約など

【過去の主な作品】
スパイクアウト(AC)
スラッシュアウト(AC)
バーチャストライカー3(AC)
バーチャストライカー2002(GC)
スーパーモンキーボール2(GC)
F-ZERO GX/AX (GC)(AC)
龍が如く(PS2)
龍が如く2(PS2)
龍が如く見参(PS3)
龍が如く3(PS3)
バイナリードメイン(PS3)


《講師からのメッセージ》


モーションデザイナー、アニメーターの技、発想のみでは成しえない
プログラマの力を融合させた”プロシージャルアニメーション”こそ
インタラクティブなゲームにおける新しいアニメーションの表現方法のひとつだと確信しております。
プロシージャルはまだまだ黎明期、発展の余地がありありです。
どうぞ皆様、この先のプロシージャルな未来を語り合いましょう!!


上野 浩樹

上野 浩樹
所属 : 株式会社ユークス/YUKE'S LA Inc.
役職 : シニアテクニカルディレクター

世界的ヒット作「UFC UNDISPUTEDシリーズ」でテクニカルディレクターを務め、現在はロサンゼルススタジオでR&Dに携わる。

代表作
・「レッスルキングダム」
・「UFC UNDISPUTEDシリーズ」

過去の講演
・GDC 2010「The Next Generation of Fighting Games: Physics & Animation in UFC 2009 Undisputed」
・CEDEC 2011「ユークスにおける物理シミュレーションとアニメーションの融合における取り組み」

その他
・Game Developer誌の2009年の「The Game Developer 50」に選ばれる


《講師からのメッセージ》



ユークスという会社は人体を扱ったアクションゲームを得意としており、多くのプロレスゲーム等のファイティングゲームを世に送り出してきました。 特に「UFC UNDISPUTEDシリーズ」はキャラクターのアニメーションを全て物理ベースにするなど、たいへん革新的なものでした。
今後、AIとアニメーションは共に技術の高度化が益々進み、それらをうまく協調動作させることが大変重要になってくると予想されます。本セッションで、それを実現する為にどうしたら良いのか考えたいと思います。