表面下散乱現象の描画手法は,人肌などの半透明物質の質感の再現に用いられ,ゲームなど実時間描画を必要とする場面に向け,より高速で高品質な手法の開発が盛んに行われている.表面下散乱は,多重散乱と単一散乱に分類され,単一散乱の影響が支配的な物体の場合,物体表面の放射輝度は,物体の厚み(入射光が物体内部を通過する距離)に依存する.単一散乱現象の描画手法にはTSMが挙げられるが,物体が凸形状である事を前提とするため,中空がある形状などで正しい厚みが得られず,描画結果に破綻をきたす事が多くあった.本セッションはこれらの問題点について,実時間描画が可能な程度に描画コストを抑えつつ,より良好な描画結果を生成する手法を紹介する.
講演者プロフィール
小坂 昂大
Visual Computing / グラフィクスと CAD
合同シンポジウム 2011 ポスター発表
久保 尋之
2006年早稲田大学理工学部卒.2008年同大学院博士前期課程了.2008年より2011年まで日本学術振興会特別研究員.2011年同大学院博士後期課程単位取得退学.現在,早稲田大学理工学術院助手.ACM SIGGRAPH2010 Talkセッションにて講演.CEDEC2010にてポスター賞(ホスピタリティ賞)受賞.
森島 繁生
1987年東大・工・大学院電子工学専門課程博士修了,工博.同年成蹊大学工・電気工学科専任講師,1988 年同助教授,2001年同電気電子工学科教授.2004年早稲田大学先進理工学部応用物理学科教授,現在に至る.1994年から1995年トロント大学コンピュータサイエンス学部客員教授, 1999年より2008年国際電気通信基礎技術研究所客員研究員.現在,明治大学非常勤講師,新潟大学非常勤講師,早稲田大学デジタルエンタテインメント研究所所長.コンピュータグラフィックス,コンピュータビジョン,音声情報処理,ヒューマンコンピュータインタラクション,感性情報処理の研究に従事.
服部 智仁
早稲田大学先進理工学研究科修士課程在籍
コンピュータゲーム向けのリアルタイムレンダリング技術開発を専攻
ACM SIGGRAPH 2010 Poster sessionにて"Curvature depended local illumination approximation of ambient occlusion."を発表