ゲーム開発の大規模化と共に、「翻訳言語数の増加」「ローカリゼーションの質的向上」「世界同時発売」などの要望が高まっています。そのためにはオリジナル版の開発チーム、国内外パブリッシャーのローカライズ担当者、ローカライズベンダー、ゲーム翻訳者など、企業間の枠を越えた、さまざまな立場の人間が、力をあわせることが必要です。しかし今日では、さまざまな理由から、さまざまな問題が発生し、理想的なローカリゼーション環境が構築しきれていません。そこで本セッションでは、さまざまな立場の人間が一堂に会し、ローカリゼーションを巡る問題を議論することで、「よく起こる問題がなぜ起こるか」を明らかにし、今後のプロジェクトフローやコミュニケーションを向上させるヒントを探ります。
講演者プロフィール
小野 憲史
「ゲーム批評」(マイクロマガジン社)編集長を経て2000年よりフリーのゲームジャーナリストとして活動中。共著・構成協力に「ニンテンドーDSが売れる理由」「ゲームニクスとは何か」がある。IGDA日本グローカリゼーション部会共同世話人。
簗瀬 洋平
ゲームのお仕事 業界研究フェア2010
「何を学んだか」より「学んだことをどう生かすか」
IGDA Sig-Glocalization第4回勉強会
「大規模プロジェクトにおけるローカライズフロー」
《講師からのメッセージ》
ローカライズは開発した製品を世界中に届けるための仕事であり、
単なる翻訳に留まりません。
各地のユーザーの方々が何を見て育ち、何を好み、何を望んで
いるのか知り、我々が考える「面白い!」と世界中のゲームプレイヤーの
「面白い!」が一致するところを見つけるため、開発者である我々は
何が出来るのか、常に模索しています。
柴山 正治
2005年、(株)スクウェア・エニックス入社
以降、ローカライズ部で主にドイツ語ローカライズを担当
エミリオ・ガジェゴ・サンブラノ
スペイン・グラナダ大学翻訳通訳学部を経て、上智大学日本語日本文化学科言語学専攻を卒業し大学院に進学。翻訳技術・品質評価について様々な論文を執筆し、修士課程を修了。以後、日本のエンターテインメント文化の海外紹介に励み、漫画・アニメの海外版の制作に打ち込む。担当タイトルは「はだしのげん」や「タッチ!」、手塚治虫の作品がある。2004年以降ゲーム業界に飛び込み、任天堂にて「ゼルダトワイライトプリンセス」や「スーパーマリオギャラクシー」などを担当。2007年以降、株式会社バースデーソング音楽出版Windwardゲームローカライズ事業部でプロデューサーとして日本ローカライズ事情の改善に取り組む。2009年、2010年に続けて今年もセッション実施!
《講師からのメッセージ》
ローカライズはあなどれません!
作品の本制作と同じぐらい力を入れないと海外のユーザーはすぐにわかります。しかもブランドに傷がつくことが多い。そうなってほしくないから、長年の経験を皆さんに提供します。ゲーム業界を盛り上げるため、海外進出に向けて頑張りましょう。
矢澤 竜太
ゲーム専門のフリーランス英日翻訳者、IGDA Japan Internationalization Force 代表。IT 系ローカライズ ベンダーにて翻訳支援ツールを用いたソフトウェア/ドキュメント翻訳・ローカライズプロジェクトを担当し、2010年よりフリーランスとして独立。この他、ゲームのローカライズに関する情報のほか、ゲーム開発者間で言語の壁を薄くするべく活動中。
《講師からのメッセージ》
翻訳支援ツールはコスト削減や生産性向上といった側面以外にも「翻訳タスクの見通しを良くする」、「最小限のユーザー干渉でさまざまな管理ができる」などの利点があります。特定用途やツールに関するピンポイントな質問も歓迎します!