ニンテンドー3DSタイトルで大量のサウンドを駆使した臨場感あふれる表現を、カプコンはどのように実現したのか?
カプコンの自社エンジン「MT FRAMEWORK Mobile」に「CRI ADX2」をインテグレーション(高圧縮コーデック「HCA」のエンコーダ及びデコーダを実装)、これによりニンテンドー3DSでの臨場感あふれるサウンド表現を実現。
新作「謎惑館」での事例をもとに、カプコン(タイトル開発現場)及びCRI(ミドルウェア開発現場)の両面から、ミドルウェアの採用に至るストーリーや、自社エンジンへのミドルウェア組み込みのイロハについて、生の声をお伝えします。
また、ニンテンドー3DSでのタイトル開発で得られた経験や技術面で力を入れた点、苦労した点、立体音響を駆使した新しいサウンド表現などをご紹介します。
ハッシュタグ #capcom_cri
講演者プロフィール
郷原 亮
2000年入社。オーディオ、ファイルシステム系ミドルウェアのリードエンジニア。主に「CRI ADX2」の設計開発を担当し、「ADX2」に搭載されている高圧縮の独自コーデック「HCA」を開発。
ミドルウェアの開発と顧客のテクニカルサポートを行いながら、音声圧縮やデジタル信号処理を日々研究中。
CEDEC 2009業界研究フェアで「ミドルウェアのお仕事」の講演者として登壇。
《講師からのメッセージ》
「CRI ADX2」はオール・イン・ワン型のオーディオソリューションです。
サウンドオーサリングツールやストリーミングシステム、ファイルシステム等、多くの機能が含まれており、サウンド制作からゲーム機での再生に至るまで、1つのミドルウェアでカバーすることを目的に開発されています。
「ADX2」はそれぞれの機能の独立性が高いため、必要最小限の機能をコンポーネントとして個別に提供することも可能です。
本セッションでは、カプコン様のタイトルへの高圧縮音声コーデック「HCA」の組み込み事例を紹介し、ミドルウェアコンポーネントをタイトルに組み込む際の参考となる情報を紹介します。
今後自社ゲームエンジン等へ音声コーデックやエフェクトをプラグイン的に組み込みたい方々の参考になれば幸いです。
岡田 信弥
2002年カプコン入社。
"ロックマンX"シリーズ、"モンスターハンター 2"、"宝島Z"などのコンポーザーを担当。
以降のプロジェクト"LostPlanet2""モンスターハンターポータブル 3rd"等ではサウンドマネージャーとして業務に携わり、
本作、立体音響技術を駆使した"謎惑館"にてサウンドディレクターを務める。
タイトル開発業務のほか、カプコンサウンドのブランディング活動として、
カプコンサウンドチームオフィシャルウェブ「SoundSphere(http://www.capcom.co.jp/sound/
)」運営や、アップルストアを中心にイベント「カプコンサウンドの創り方」を開催、リクルートセミナーにも注力している。
野中 大輔
2003年入社。
「鬼武者3」、「デッドライジング」、「宝島Z」、「バイオハザード5」等の開発に携わる。
2011年発売の「謎惑館」でメインプログラマーを務めた。
小島 健二
同志社大学大学院工学研究科を修了後、音・振動の技術コンサルタント、システムエンジニアを経て2009年株式会社カプコンに入社。
MT FRAMEWORKのサウンドドライバ・ツール開発のほか、空間音響・立体音響など音響技術に関する研究開発に従事。
<< 講演実績 >>
・AES 41st Conference London 2011: Audio for Games
「A New Framework for Creating Reverberation Tails and Its Application
for Interactive Processing of In-Game Sounds」