高度な専門分業化と協働が急速に進展しているゲーム産業における開発者のキャリア発達研究は世界的にも緒についたばかりです。このセッションでは、とくに、ゲーム産業ではまだ少数である女性のゲーム開発者を対象にしたインタビュー調査の結果に基づいて、キャリア発達における態度と行動上の特徴を分析し、女性ゲーム開発者のキャリア発達支援のあり方を提示します。
講演者プロフィール
藤原 正仁
●学歴
新聞奨学生として働きながら中央大学商学部経営学科に通学し卒業。中央大学大学院商学研究科商学専攻博士前期課程修了。デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツ研究科デジタルコンテンツ専攻専門職学位課程修了。
●職歴
民間企業等勤務、東京大学大学院情報学環特任研究員、同特任助教を経て、2011年4月より現職。東京大学大学院情報学環客員研究員(馬場章研究室)、青山学院大学経営学部・社会情報学部兼任講師。
●主な著作
「ゲーム産業におけるプロデューサーのキャリア発達」(2009)、「ゲーム開発者の就労意識とキャリア形成の課題」(2010)、「ゲーム開発者のキャリア形成」(2010)、「違法複製ゲームソフトのダウンロードに関する使用実態調査報告書」(2010)など。
●CEDECでの講演
「学生が知りたいゲーム産業界/ゲーム産業界が求める若者」(2005)、「大学のゲーム教育・世界編:カリキュラム・テキスト・メソッド・エデュケーター」(2006)、「ゲーム開発者の働き方とキャリア」(2010)※『ゲームのお仕事』業界研究フェア。
●URL
http://mfujihara.net/
《講師からのメッセージ》
「働きながら学ぶ」という私自身の経験をもとに、働くこと-人材育成-家族・生活の3つの領域を対象に、創造的個人-創造的組織という2つ軸の観点から、キャリアについて研究をしています。
近年、女性の職域が拡大していく中で、より専門的な職業に就いている女性のキャリア発達の様相はいかなるものであるかを客観的に解明し、それを理論化することにより、彼女らのキャリア発達支援に応用されていくことが、女性のキャリア発達研究の課題と意義である、と私は考えます。
デジタルゲームを創造する個人と組織が、多様なエンターテインメントを世界中の老若男女に提供しているように、個人と組織そのものにもダイバーシティが求められているのではないでしょうか。
このセッションでは、とくに性別を超えたダイバーシティのあり方について、ゲーム産業ではまだ少数である女性のゲーム開発者を対象にしたインタビュー調査に基づいて、検討したいと思います。