【セッションの概要】
ゲームサウンド業界を見渡した時に「インタラクティブ・アダプティブミュージック」は、ある種のトレンドであり、いち早く取り組み実装している会社もありますが、まだまだ未開拓な部分もあります。ゲームミュージックは、何よりもユーザの気持ちを揺さぶります。このセッションでは『ロストプラネット2』で取り組んだ手法を紹介しつつ、インタラクティブミュージックを考える上でキーワードとなる「トランジション」と「トリガー」についてのアイディアを提示します。後半では、インハウスコンポーザーたちが直面している現状と、カプコンのコンポーザーが取り組んでいる開発スタイルについて紹介します。
【セッションフロー】
Co-opプレイを基本とした『ロストプラネット2』で実装したインタラクティブミュージックの例を3つ紹介します。基本思想と実際にMTフレームワークに組み込んだ詳細を説明し、プレビューします。
?マルチプレイ時に各プレイヤーを主観に置いたBGM展開設計
?複数のプレイヤーが、別々のシチュエーションから同じシチュエーションへとシームレスにつながるBGM制御の工夫
?離れた位置への座標移動にも対応した発音制御方法
インタラクティブ・アダプティブミュージックのまとめとインハウスコンポーザーが直面している現状分析を行います。
「トータルクオリティコントロール」をキーワードに、
インハウスコンポーザーとして持つべき意識から、
テクニカルデザイン、ミュージックディレクション、といった横軸管理、
情報共有、制作環境構築などのワークフローまで、
カプコンのコンポーザーが取り組んでいる開発スタイルについて説明することで
インハウスコンポーザーとしての「強み」について提案します。
講演者プロフィール
岸 智也
2001年入社。鬼武者などのプロジェクトで主にカットシーンのサウンドデザインを担当。
"Lost Planet: Extreme Condition"よりサウンドディレクターとして業務に関わる。
サウンドディレクションを行う一方で、ワークフローの効率化、制作環境の構築など、
次世代のゲームサウンド開発を日々模索中。
《講師からのメッセージ》
一昨年、昨年に引き続き、今年もCEDECで講演できることが出来て光栄です。
カプコンサウンドでは、技術面のみならずワークフローに関しても、
いかに効率的にプロジェクト運営を行うか?
いかにロスを少なく費用対効果の高い業務を行えるか?など、
日々、真剣に考えて取り組み、実作業で検証し、フィードバックを繰り返しております。
今回のセッションで、ひとつでも多く役立つ情報を持ち帰っていただけるよう
出来る限りの努力をしていこうと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
鈴木 まり香
2004年入社。"戦国BASARA" "DEAD RISING" "流星のロックマン2"などのプロジェクトで作曲に従事。"LOST PLANET 2"では作曲や曲演出のためのシステム構築などを担当。
《講師からのメッセージ》
日々、"ゲームコンポーザー"として心に留まる音楽や、心に残る演出を模索しております。今回初めてCEDECで講演させていただきます。少しでも皆さんに分かり易く伝える事ができればと思っております。宜しくお願いします。
牧野 忠義
2002年に株式会社ベックに入社。作曲からサウンドデザインまで幅広く手掛けた後、2007年カプコンへ入社。"宝島Z" "Monster Hunter Portable 2ndG"などのプロジェクトで作曲に従事。"Monster Hunter 3(tri-)"では制作メインを担当。現在は楽曲制作業務を主軸に、開発環境の考案や人材育成など多方面で活動中。
《講師からのメッセージ》
カプコンコンポーザーチームでは、日々新たな発案・活動を行い、試行錯誤を繰り返してます。その中で培ってきた制作スタイルを提案させて頂く事で皆様に何かしらのヒントをお届けすることが出来れば幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。