2003年に発刊されたゲームデザインの研究と教科書のあり方に新しい方向性に大きな影響を与えた「Rules of Play」の副読本として、「The Game Design Reader: A Rules of Play Anthology」が、遊び学の古典ホイジンガやカイヨワを含め、ゲーム学に関する主要論文や記事を収録して、ゲーム学の研究の歴史を一覧できる大著として昨年12月に発刊されている。この本を通じて、日本にまだ紹介されていないゲーム学のコンテクストが存在していることがわかる。このセッションでは、この本の内容を紹介することで、その理解を進め、また、ゲーム学の議論の場として発展しつつある学会組織Digraや、日本デジタルゲーム学会(Digra Japan)の紹介も行い、現在の世界のゲーム学の姿を紹介する。
講演者プロフィール
増田 泰子
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。専攻は教育社会学。1996年からテレビゲーム評論サイト「ゲームを語ろう」を主宰。コンピュータゲームのテクスト的解釈および社会的行為としてのゲームプレイ行為論を展開している。
井上 明人
慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科終了。慶應義塾SFC研究所訪問研究員を経て、現職。専門は、ゲームデザインやその言説の研究。06年4月より「コンピュータ・ゲームのデザインと物語についての研究会」を運営開始。韓国の「ゲーム研究」についての調査を進行中。Blog「Critique of games(ビデオゲームをめぐる問いと思索)」で活動中。
http://www.critiqueofgames.net/
新 清士
1970年生まれ。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリスト。立命館大学大学院政策科学研究科講師。デジタルエンタテイメントアカデミー講師。コンピュータエンタテインメント協会(CESA)理事。ブロードバンド推進協議会オンラインゲーム専門部会部会長。日本デジタルゲーム学会(DiGRA Japan)理事。著書「ゲーム開発最前線「侍」はこうして作られた」(新紀元社)。