ゲーム開発の現場では、心理学の知見がさまざまな形で活用されています。たとえば、行動経済学に基づいた設計や、フロー理論を応用した没入感の演出などは、多くのプロジェクトで一般的な手法となりつつあります。
一方で、心理学は私たちにとって身近な分野でもあるため、通俗的な知識や「〜効果」といった単語がひとり歩きすることも少なくありません。しかし、人の心の動きは一律に語れるものではなく、環境や状況によってその働きは大きく変わります。
このセッションでは、心理学の知識を“覚える”のではなく、“どう活かしてみるか”という視点に立ち、自ら仮説を立てて試してみるための考え方を紹介します。
ゲームデザインに限らず、ゲームに関わるさまざまな立場の方にとって、心理学の視点を見直すきっかけとなる内容を目指しています。
講演者プロフィール
𥱋瀨 洋平

1995年よりゲームデザイナー/シナリオライターとしてゲーム開発に従事。「ワンダと巨像」「魔人と失われた王国」などの作品に携わる。2013年よりユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社(現株式会社)に勤務し、学術とゲーム産業の橋渡しをするために活動。「誰でも神プレイできるシューティングゲーム」でWISS2015対話発表賞。「Unlimited Corridor」で第20回文化庁メディア芸術祭エンタテインメント部門優秀賞を受賞。東京大学先端科学技術研究センター連携研究員、大阪芸術大学客員教授を兼務。
《講演者からのメッセージ》
心理学の知識はヒントに過ぎません。そこから自分なりの仮説を立てて、試してみる。そんな実験のような楽しさをこのセッションで感じてみてください。
高橋英之

北海道大学大学院 情報科学研究科 博士(情報科学)
人間とロボットの共棲コミュニケーションについて情報工学と心理学を融合した研究をしている.
著書として「人に優しいロボットのデザイン 「なんもしない」の心の科学(単著)」がある.
《講演者からのメッセージ》
色々と話をしながら,心理学をつかったすごいゲーム作りの可能性について,みなさまと自由に議論していきたいと思っています