この講演では、弊社が複数プロジェクトを並行して開発する中で直面した課題と、それを解決するために採用した手法を共有します。
弊社では、プロジェクト間でリソースを効率よく共有するために、パッケージ開発の体制構築とNPM(Node Package Manager)サーバーの導入を行いました。これにより、プロジェクト間での基盤リソース管理を統一しましたが、導入初期と運用初期には多くの問題が生じました。たとえば、パッケージの設計概念への理解、利用者全員の環境設置、バージョン管理や依存関係の混乱、曖昧な運用フローなどが挙げられます。
これらの課題を解決するために、運用ルールと注意点を策定し、チーム全体での浸透を徹底しました。その結果、現在ではボタン一つで開発環境を構築できる仕組みを確立しています。
パッケージの環境設置や基本概念に関する情報は既に豊富に提供されていますが、実務運用や導入プロセスに関する具体的なノウハウは依然として不足しているのが現状です。本セッションでは、実際の事例を交えながら、課題解決のプロセスと得られたノウハウを紹介します。複数プロジェクトを抱える現場で効率化を図りたい方、チーム全体の開発環境を標準化したい方に役立つ内容です。
講演者プロフィール
張 永儒

株式会社ラセングルでクライアントとグラフィックスに関する開発をしています。現在主にレンダーパイプラインとポストエフェクトの開発を担当しています。
過去の講演
CEDEC2023 「アーティストの画作りのためのグラフィックス機能開発の取り組み:Unity URP 独自レンダーパイプライン・ポストプロセスレイヤーシステム」
《講演者からのメッセージ》
このセッションでは、複数プロジェクト間での基盤やパッケージ管理の課題と、解決手法を共有します。
導入初期に直面した問題や運用の工夫を実例を交えてお話しし、効率的な環境構築のヒントをお届けします。基盤管理や開発環境の標準化に興味のある方はぜひご参加ください!