本セッションでは、小規模タイトル向けに開発した独自のサウンドマネージャーを紹介し、Unityでサウンドを扱う際の課題と、それを解決する手法について解説します。
特に以下のポイントに焦点を当てます。
1. Unityにおけるサウンド管理の課題
・AudioDataの再生・ロード管理と再生負荷の問題
・サウンドデザイナー視点の課題
・音に詳しくないプログラマーの負担軽減
2. 独自サウンドマネージャーの設計
・再生と管理処理の共通化
・AudioData型の導入
・インポーター拡張による自動処理
・SoundSettingによるプロジェクト個別設定
3. サウンドデザイナーのためのワークフロー改善
・Unityに触れず更新できる仕組み
・ファイル名の運用ルール
・少人数・小規模前提の効率化
4. 実装と実運用の知見
・役割の分担と試行錯誤
・再生状況の可視化とデバッグ支援
・イントロ付きループの仕組み
・現在の課題
このセッションでは、開発者・サウンドデザイナーの両方の視点から、Unityのサウンド管理を改善するためのアプローチを共有します。
講演者プロフィール
田中 孝

1999年 セガ入社、サウンドツールSoundFactory2の開発、2005年からはCRI・ミドルウェアにてCRI Audio、ADX2のサウンドツール開発、様々な会社のサウンド開発のサポートを行う。
2019年よりMyDearest株式会社にてテクニカルオーディオデザイナー / サウンドエンジニアとして、アルトデウス、ディスクロニアといったVR長編アドベンチャーにて、社内サウンドツール開発やサウンド業務を経験。
近年はBazookaStudio向けのサウンド制作業務を担当。
CEDEC2024 イマーシブオーディオ実装の知見とノウハウ- 、「ブレイゼンブレイズ」とボイスチャット 講演
《講演者からのメッセージ》
MyDearestのサウンドデザイナーとして、2か月で6つの小規模なゲームプロジェクトに関わった時の話になります。
すべてVRゲームで、プラットフォームはMetaQuest(Android)を主なターゲットとしていますが、
世の中にある多くの小規模開発として、ゲームエンジンのUnityの標準のオーディオ機能のみで、
サウンドデザイナー視点では最大効率で作業が進められるように、
サウンドエンジニア視点では究極に手軽に実装を行えるように準備をした時の話となります。