プレイヤーがボタンを押下してからモニタにゲームの応答が現れるまでの時間を定量的に評価しました。
プレイヤーがボタンを押下してから音声が流れ始めるまでの時間も音声に関する入力遅延として定義し、映像と音声の観点で定量評価を行います。
十数分程度の時間で入力遅延計測を何度も繰り返し、数千のサンプルを取得することで入力遅延が取り得る範囲をグラフ化しました。
その結果をご紹介します。
セッション後半では今後利用シーンが拡大する可能性のあるリモートでのゲームプレイを考慮し、ネットワーク越しでの入力遅延計測およびその遅延対策をお話致します。セッション前半で使用した計測手法も取り入れ、リモートプレイによる影響も推し量ります。
遅延対策は、転送遅延や相互干渉を防ぎ、オーバーヘッドを削減しつつ、高速でスムーズな動作を可能にする技術となります。映像・音声・入力信号の低遅延処理を実現するためのGPU内でのキャプチャからエンコードまでの最適化や、ストリーム分離・非同期処理についてご説明します。
講演者プロフィール
瀬戸 大樹

2006年セガ入社。現在はセガ フェイブ所属。グループ内での社名変更や部署名変更はありつつも、担当範囲は変わりなくゲームセンター向けのゲーム基板のハードウェアを担当しておりました。現在は将来のゲームセンターインフラを提案すべく方向性検討や実験を行っております。
《講演者からのメッセージ》
本講演ではゲームの入力遅延の定量評価にトライした結果の共有となります。講演ではスタンドアローン環境での入力遅延測定をベースとし、リモートプレイ環境での入力遅延の変化と対策も含まれます。入力遅延に関する知識の参考としてご視聴頂ければ幸いです。
渡邉 光輝

1998 年 CSK総合研究所 (現:CRI・ミドルウェア) 入社。以降、自社製ミドルウェアのコンシューマー機向けランタイム・ツール開発に従事。
近年はこれらの技術を応用したエンタープライズ向けのツール開発や、組み込み機器向けのカスタムアプリケーション開発などにも取り組んでおります。
《講演者からのメッセージ》
本講演では、特定環境向けの低遅延映像・音声送受信および制御信号の取り扱いについてご説明します。
高い応答性が要求されるゲームプレイ環境向けに、少しでも遅延量を小さく抑えるためにどのような手法が有効であるか、またこの先にどのような展望が開けているかについて、みなさまに共有できればと思います。