近年のオンラインゲームアプリは、顧客基盤の拡大のためにも世界中のユーザに向けて展開することが求められています。
そのため、多言語対応が重視されていますが、特にストーリーやキャラクターを重視した運営型のゲームでは、UIやシステムメッセージ以外にも翻訳対象は膨大で、継続的に増えていくため、効率良くローカライズを進められるかが課題となっています。
そのためには、アプリの開発チームに負荷をかけず、翻訳チームが独立しながら作業を進めることができる環境と、それを支える翻訳対象の抽出から翻訳データのアプリへの反映まで、自動化されたシステムが必要だと考えました。
本セッションでは、スマートフォン向けゲームアプリ「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」の、1バイナリでグローバル同時リリース、そして運営を実現するためのローカライズシステムについて、システムの全体像から言語切り替えの仕組み、開発チームと翻訳チームが密接に関わりながらも、お互いに独立して作業を進めていくための連携方法など、実際の開発中の事例も交えて紹介します。
講演資料
- pdf_CEDEC2025_「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」のグローバル展開を支える、開発チームと翻訳チームの「意識しない協創」を実現するローカライズシステム.pdf
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講演者プロフィール
原田 大志

2007年にゲーム業界に転職後、MMORPGのリアルタイムサーバ開発を経験した後に、スマートフォン向けゲームクライアント開発、ビルド環境の整備や開発フロー改善など幅広く従事。
2020年に株式会社ポケラボに入社、現在は株式会社WFSに合流し、新規プロジェクトの開発に従事しながら、開発の効率化業務も兼任。
《講演者からのメッセージ》
継続的にコンテンツをリリースする運営型アプリでのローカライズは、開発チームと翻訳チームの連携が鍵となります。
この講演では、互いの作業を妨げることなく効率的に多言語化対応を進めるための具体的なポイントをお伝えします。
これから多言語化に取り組もうとしている方々の参考になれば幸いです。
篠原 功

2013年に株式会社ポケラボに入社し、現在は株式会社WFSに所属。
「SINoALICE -シノアリス-」「アサルトリリィ Last Bullet」では開発・運用チームに参加し、
「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」では基盤チームの一員としてプロジェクトに携わる。
ローカライズシステムのほか、リソース管理システムなどの基盤機能や
開発支援機能の実装を中心に担当。
《講演者からのメッセージ》
「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」のローカライズシステムを担当して、
気づけば3年半が経ちました。
海外展開を意識して業務に取り組んでいると、
いかに日本のゲーム・漫画・アニメが世界中で多くの人に親しまれているのかに気づかされます。
こうした恵まれた環境に感謝しつつ、
コンテンツの魅力を、もっともっと世界に届けていきたいと考えています。
まだまだ未熟な点も多いですが、少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
日本のゲームが、世界のTOPランキングを独占するような──
そんな未来に向けて、一緒にがんばっていきましょう!