クラウドAIサービスを使用せず、ローカルPCで自然言語処理AIを動作させる意義と活用方法、ツールの実装と提供手法、社内展開したツールの開発事例を紹介します。
高度な自然言語処理ができるクラウドAIサービスは日々の作業に欠かせない存在になりました。一方、自PC上で実行できるAI(=ローカルAI)も急速に進歩し、特定の場面ではクラウドAIに匹敵する性能を持つようになっています。
ローカルで実行することには、クラウドサービスにはないメリットもあります。ゲーム開発現場には高性能GPU搭載PCが多く、その高いAI処理能力を活用できます。
このセッションでは、ローカルAIのメリット・デメリット、LLMのファインチューニング手法、Windows PC 向けに Python 製AIツールを提供する技法、特に共有AIサーバー開発について解説します。さらに、開発した社内向けツールと開発時のポイントも紹介します。
キーワード: 生成AI, Python, ローカルLLM・SLM・VLM, ファインチューニング
講演者プロフィール
林 洋人

1997年 セガ・エンタープライゼス入社。現在に至る。
社内および協力会社向けグラフィックスライブラリ・ツール開発・技術サポートを長年担当。
2018年より深層学習AIのゲーム開発向け技術開発を行なう。
CEDEC登壇は13年ぶり5回目。
外国語と外国旅行が好き。
《講演者からのメッセージ》
ここ数年間、AI技術の進歩は非常に速く、先週は不可能だったことが今週には可能になることも珍しくありません。大規模なクラウドサービスでやっとできたことがローカルPC上で低コストで実現できるようになることもよくあります。
玉石混交の新技術が次々登場していますが、すかさずその能力を見極め、適切なものを適切な使い方で開発に取り入れることで、一歩リードすることができます。
岳 鳴涛

2024年に新卒で株式会社セガに入社し、主にツールや複数のツールから利用する共通AIサーバーの研究開発に従事。
最近は、ゲーム内に収録される多言語のテキストや音声データを管理するツールの開発、およびローカルLLM (大規模言語モデル)の応用に関する研究開発を担当。
趣味はクライミングとビリヤード。
《講演者からのメッセージ》
大規模言語モデル(LLM)はますます進化しています。従来のChatGPTなどのクラウドサービスを現場で使用する際にはいくつかのデメリットがありますが、近年ではローカルPCでも動作するLLM、すなわちローカルLLMが登場しています。本講演では、それらについてご紹介できればと思います。
ゲーム開発において、開発効率の向上などに役立てていただければ幸いです。