こだわりの世界設定を用意しても、用語の意味や内容の理解が難しいと、プレイヤーは物語に没入できずにゲームから離脱してしまうかもしれません。
FFXVIでは、プレイヤーが物語を把握しやすくするために、アクティブタイムロア・ヴィヴィアンレポート・ハルポクラテスの備忘録という3つのロアサポート機能を考案・実装しました。
本セッションでは、それらの機能の企画と実現までの流れを説明しつつ、FFXVIがどのような課題に直面し、それをいかに改善したかを紹介します。
講演者プロフィール
青野 百花
大学院修了後、2016年に株式会社スクウェア・エニックス入社。
モバイルゲームのアシスタントプロデューサーを経て、ゲームデザイナーに転向。
FINAL FANTASY XVIでは、UI・イベントセクションを兼務し、
ロアコンテンツの企画・UIの設計、世界設定の監修やNPC関連の実装、プラットフォーム対応などを行う。
GDC 2024にて、「Designing Active Time Lore for 'Final Fantasy XVI'」を講演。
《講演者からのメッセージ》
ゲーム開発や日々の生活で忙しい毎日。
遊んでいるゲームの登場人物や物語をつい忘れてしまうこともあると思います。
「世界設定や専門用語について、どうすれば手軽に知っていただけるか?」
ひたすらに考えて作ったのがFFXVIのロアサポート機能です。
講演では、開発を振り返りつつ、好評いただいた人物相関図の追加機能、
「インナーボイス」(心の声)開発についても触れたいと思います。
山口 修二
システムエンジニアを経て、2019年に株式会社スクウェア・エニックス入社。
FINAL FANTASY XVIでは、UI・システムプログラマーとして、
主にプラットフォーム対応とロアコンテンツのUI実装を担当。
《講演者からのメッセージ》
魅力的なロアサポート機能を実現するために、
異なるセクションのメンバーがたくさんのアイデアを出し合いました。
「出てきたアイデアをどのようにすれば、素早く実装し検証できるか」
本セッションでは、開発チームがチャレンジを繰り返し、
満足するロアサポート機能を実現させるまでの過程を、
チーム開発の事例として共有できればと思います。