昨今、多彩な表現が可能なHapticsデバイスがゲーム機器に組み込まれつつあるが、グラフィック技術やサウンドに比べ、技術的な蓄積がまだ少なく、意図したHaptics効果をシステマティックに制作するノウハウがまだまだ未熟な状態である。
そこで、本セッションでは、まず、Hapticsの背景にある、指先の神経モデル、その神経刺激が脳に伝わり、どのように処理されるかの感覚特性を理解。その人の感覚特性に基づき、
Hapticsを使いこなすうえでのヒントとなる『Hapticsシステムモデル』を提案する。さらに、そのモデルに基づいた各種データ生成ノウハウ、プログラミングテクニックを解説していく。
講演者プロフィール
香田 夏雄
株式会社ソニー木原研究所、及び、ソニー株式会社にて、3DCGの研究開発と商品化に従事。2007年にソニーを退職し、その後、数々のディープテック系ベンチャーの起業に参画。2014年に、産総研の研究成果をベースに錯覚を用いて触った感覚をデジタルで表現する3DHaptics技術を研究開発する「ミライセンス」社を共同で起業し、代表取締役就任。2019年に、ミライセンス社を村田製作所のグループ企業化し、3DHapticsの商用化をすすめる。2021年に、Hapticsミドルウェアソリューション「AMPTIX」を展開開始。
2021年度まで、デジタルハリウッド大学大学院専任教授を兼務。テクノロジー関連の寄稿・執筆、コンサルティングなどを手掛ける。
《講演者からのメッセージ》
ミライセンスで、長年培ってきた、Haptics応用コンテンツの開発ノウハウを、一気に紹介していきます。Haptics編集は、ネットには、まだ十分な情報がなく、実験的な取り組みや、場当たり的な取り組みが多く、なかなか思い通りにデータを作れないのが現状かと思います。そこへ、「Hapticsシステムモデル」の概念を取り込み、サイエンティフィックかつロジカルに、Haptics開発に取り組めるようになるよう、本セッションを進めていきます!
また、ゲーム機器で採用が進む、広帯域型の振動系Haptics技術の全体像が、網羅的に理解できるようなセッションにもしていきたいと思っています。ぜひ、聴講ください!