本講演では、組織内にオープンソースの開発スタイルを取り入れることで効率的なソフトウェア開発体制を実現する取り組み、すなわちインナーソースにの推進についてお話します。
インナーソースは、組織の壁を超えたコラボレーションを促進し、ソースコードの再利用や知識の共有などのメリットをもたらしますが、十分な成果をあげるためには、組織内でインナーソース特有の文化を育成し、さまざまな技術的課題を解決する必要があります。
これに対する有効なアプローチとして、プラットフォームエンジニアリングと社内開発者ポータル(IDP)の構築があります。ソフトウェアカタログの機能を備えるIDPの導入により、大規模組織が抱える開発者プラットフォームの分断問題を緩和し、エンジニアだけでなくゲームデザイナーやアーティストなど、より多くの関係者を組織のインナーソース活動に巻き込むことが可能となります。
具体例として、オープンソースのIDP構築フレームワークであるBackstageをとりあげ、その大規模組織向けのカスタマイズの事例ともに、IDPがどのようにインナーソースの推進に寄与できるのかについて解説します。
講演者プロフィール
八重樫 剛史
1999年株式会社ナムコ(当時)入社。2012年株式会社バンダイナムコスタジオ設立に伴う転籍、2018年株式会社バンダイナムコアミューズメントラボ設立に伴う転籍を経て、2020年より現職。研究・開発環境のクラウドサービス導入推進、CI/CDパイプライン構築支援、社内開発者プラットフォーム構築などの業務に従事する。
Microsoft MVP for Microsoft Azure (2023)
《講演者からのメッセージ》
開発者組織におけるインナーソースの推進だけではなくプラットフォームエンジニアリングの実践を含む総合的な内容にしたいと思います。よろしくお願いします。