近年の大規模なゲーム開発において、テスト自動化は欠かせないものとなっていますが、特定のゲームエンジンやタイトルにおいての個別の取り組みを積み上げてきた結果、より汎用的な共通フレームワークへの期待が高まっています。本セッションでは、インハウス(社内開発)エンジンであるドラゴンエンジンで培ってきたテスト自動化のフレームワークを、商用エンジンであるUnreal Engine・Unityにも適用して、実際のタイトル開発で運用した事例について紹介します。また、複数タイトル(ドラゴンエンジン開発の「龍が如く8」「龍が如く7外伝 名を消した男」、Unreal Engine開発の「龍が如く 維新! 極」、Unity開発の「スーパーモンキーボール バナナランブル」)のテスト自動化を並行運用するために、開発・QAの技術的な自動化・効率化を担うクオリティエンジニアを育成し、1タイトル=1クオリティエンジニア体制を整えた過程についても説明します。
講演者プロフィール
並木 勇人
ゲームプログラマーとして「龍が如く」シリーズや「スーパーモンキーボール」シリーズの開発に従事。
その後は2022年よりクオリティエンジニアとして「スーパーモンキーボール バナナランブル」のビルド・QA自動化などの活動に携わっている。
2016年、セガ新卒入社
「龍が如く6 命の詩。」ゲームプログラマー
「龍が如く 極2」ゲームプログラマー
「北斗が如く」プログラムサポート
「JUDGE EYES:死神の遺言」ゲームプログラマー
「たべごろ!スーパーモンキーボール」ゲームプログラマー
「たべごろ!スーパーモンキーボール 1&2リメイク」ゲームプログラマー
「龍が如く 維新! 極」クオリティエンジニア
「スーパーモンキーボール バナナランブル」クオリティエンジニア
《講演者からのメッセージ》
本講演では、Unityへのサポートや「スーパーモンキーボール」シリーズへの適用、オンラインタイトルでの運用など、今までの龍が如くスタジオとは一味違ったお話もさせて頂きます。
今回1タイトル開発内でシステムの構築から運用までクオリティエンジニアとして活動しましたが、私自身初めての経験でした。
一連の流れを丁寧に解説していきますので、身構えずに気軽にご参加ください。
桑原 和人
2018年、株式会社セガにプログラマとして入社。
龍が如くスタジオにて、「龍が如く」シリーズのアプリケーション実装担当をメインとして、自動テストやログ分析などのQA関連業務にも従事。
「龍が如く8」では、アドベンチャー関連/ミニゲームの一部実装を担当しながら、クオリティエンジニアリングチームリーダーを務めた。
《講演者からのメッセージ》
龍が如くは、シリーズを重ねるごとにコンテンツ量が増えるとともにその自動テストも大規模化しています。本講演では、その管理/運用に関する工夫についてお話しします。
また、アプリケーション開発経験を通じて実装に至ったログ分析やマップ可視化などの自動化事例や、さらなる自動化の発展を目的とした検証事例についてもご紹介いたします。
阪上 直樹
ゲームプログラマとして「龍が如く」シリーズ等の開発を行う中で自動化に目覚め、スタジオ専属のQAエンジニアとしての活動後、現在はクオリティエンジニアとして社内の各タイトルの開発環境やQAの自動化・効率化に従事。
過去の講演:
KYUSHU CEDEC 2015 「龍が如く」の高速デバッグ術 ~そびえ立つバグの山を踏破するための弾丸ワークフロー~
CEDEC2017 無料で始める!「龍が如く」を面白くするための高速デバッグログ分析と自動化
CEDEC2018 次世代QAとAI 〜ゲーム開発におけるAI活用に正しく向き合うために〜
GAME CREATORS CONFERENCE '20 「龍が如く7 光と闇の行方」の自動テスト活用事例とテスト自動化チーム(仮)による若手育成の取り組みについて
CEDEC2020 「龍が如くスタジオ」のQAエンジニアリング技術を結集した全自動バグ取りシステム
CEDEC2022 開発もQAも自動テスト!「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」のQAテスター参加で進化した「テスト自動化チーム(仮)」の取り組みについて
《講演者からのメッセージ》
過去の「龍が如くスタジオ」のテスト自動化の取り組みでは、マルチプラットフォームや多拠点(開発・QA・LQA)への対応を行ってきましたが、今回のテーマは、テスト自動化のマルチゲームエンジン対応です。テスト自動化を各ゲームエンジンに導入する際の技術的な知見だけでなく、マルチゲームエンジンに対応する過程で得られた汎用的なテスト自動化の知見も持ち帰っていただけるような内容になっていますので、ぜひご参加ください!