「シリアスゲーム」と言った場合、日本においては一般的に教育用ゲームや広報宣伝用ゲームが連想されるが、世界的に見るとその枠組みそのものが大きく変化しつつあり、「This War of Mine」や「Life is Strange」といった必ずしも教育や宣伝広報を目的としない作品がシリアスゲーム的な文脈で研究・理解されることも増えてきた。
本講演では実際にどのような変化が起こっているのかを、アカデミックな側面と、実際の作品面の、双方から解説する。
また、近年において再定義されたシリアスゲーム研究のフィールドにおいては、前述のような一般的なゲームに対してアワードを授与するケースも見られる。こういったアワードを通じゲームの露出を高めることが可能だが、実際にどのようなアワードがあるのかも解説する。
講演者プロフィール
徳岡正肇
ゲームジャーナリストとして主に4Gamer.netに寄稿
シナリオライターとしてSEGA / White Owls社作品などでシナリオ執筆
登壇:Game Industry Conference(Poland) / Sweden Game Conference(Sweden) / REBOOT Develop(Croatia) /CEDEC(Japan) など多数
《講演者からのメッセージ》
昨今においては多くの方々の努力もあってシリアスゲームが日本でも広がりを見せておりますが、世界的に見ると従来とは異なった展開も起こっており、そのいくつかは「シリアスゲーム」という枠組みにとらわれないものとなってきました。この講演では、いわゆる「普通のゲーム」がシリアスゲームの領域においてどのように評価されているか、あるいはどのようにシリアスゲームへと転用されているかといった点について、自分からは具体的な事例紹介を行いたいと思います。
藤本徹
専門はゲーム学習論、教育工学。慶應義塾大学環境情報学部卒。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、「ゲームと教育・学習」(共編著、ミネルヴァ書房)訳書に「テレビゲーム教育論」、「デジタルゲーム学習」(東京電機大学出版局)、 「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
《講演者からのメッセージ》
2000年代に展開したシリアスゲームの最近の動向を事例を交えて解説します。ゲーミフィケーションやゲーム技術の社会実装のようなテーマに関心のある方はどうぞご参加ください。