ゲームを使用した社会復帰について

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日時:
2020年09月03日(木)14時15分〜15時15分
形式: レギュラーセッション(60分)
受講スキル:
なし
受講者が得られるであろう知見:
医療現場においてゲームがどのように利用され、効果を得ているか ゲームの幅広い活用例
セッションの内容

近年、メンタルヘルス不調による休職者の増加傾向にある。メンタル不調者は身体疾患患者に比べ再休職に至る割合が高く、プレゼンティーイズムの問題も指摘されている。それらの問題に対応するためには休職前の状態に復するだけでは不十分であり、業務遂行能力の回復・向上への支援が求められている。それらの支援を行うのが当院でも実施している職場復帰支援プログラム(以下リワーク:return to work)であり、その重要性が注目されている。
業務遂行能力の向上という観点では、全てのビジネスパーソンに共通して求められる課題である。経済産業省は個人の企業・組織・社会との中で関わりの中で活躍し続けるために求められる能力として「社会人基礎力」を提唱している。それによれば、「人生100年時代」を生き抜くためには「目的を持ち、何を、どのように学ぶか主体性とモチベーションを向上させ、自らキャリアを切り拓いていくことが求められる」としている。つまり、全てのビジネスパーソンには主体的に学び・働き・成長し続けることが求められている。
主体的な学びと成長を促す取り組みとして、娯楽であったはずのゲームを社会的な活動として応用するゲーミフィケーションが教育場面では導入されている。医療機関である当院ではゲーミフィケーションを用いたリワークを実施し効果を得ている。そのプログラム内容と効果研究の結果について説明する。


講演資料

  • CEDEC招待講演資料.pptx

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講演者プロフィール

大塚 舞子

大塚 舞子
所属 : こころケアクリニック
部署 : 心療内科
役職 : 臨床心理士・公認心理師

心療内科にてメンタル不調により休職された方を対象にリワーク・プログラムを行う。
ゲーミフィケーションを援用したリワーク・プログラムを開発・実施。効果研究を行う。

研究・発表
・心療内科におけるゲーミフィケーションを用いた職場復帰支援プログラム(電気学会 知覚情報・次世代産業システム合同研究会)
・ゲーミフィケーションを用いた職場復帰支援プログラム(第129回日本心身医学会関東地方会)
・ゲーミフィケーションを用いた復職支援プログラムが有効であった一例(第59回日本心身医学会総会ならびに学術講演会)

《講演者からのメッセージ》
ストレスチェックが義務化されたのはご存じでしょうか。
ストレスチェックとは、労働者が自分のストレスの状態を知り適切に対処したり、会社側は職場環境改善に取り組んだりすることでメンタルヘルス不調を未然に防止するための制度です。
このような政府の働きかけに加え、最近は働き方改革やワーク・ワイフ・バランスなど、皆が心身ともに健康で働き続けられる環境づくりが求められています。
しかし、ストレス社会の現代において心身の健康を維持するのはとても大変です。
強いストレスを受け、メンタルヘルス不調に至り休職される方は後を絶ちません。
「そもそもメンタルヘルス不調って何?」という疑問から、「どうやって治すの?治るの?」、「性格の問題なんじゃないの?」など、これら一般的によくお受けする質問についてお答えしたいと思います。
そして、メンタルヘルス不調で休職された方が復職されるまでの道のりについて、ゲーミフィケーションを援用した復職支援プログラムを実施したケースをもとにお話しさせていただきます。ゲームがどのように復職支援に繋がっているのか、ゲームの内容と取り組みについて説明させていただきます。

馬場 誠

馬場 誠
所属 : こころケアクリニック
部署 : 心療内科

2017年より心療内科にてリワークプログラムのサポート業務を行う。
ゲーミフィケーション運用のサーバ構築、保守、その他Web系開発業務を担当。

《講演者からのメッセージ》
休職者のリワークプログラムという場所でゲームが有効活用されているという事例として紹介できればと思います。