ゲーム開発において,大学で学ぶような数学の概念に遭遇することがあります.
今回対象とする「ラプラシアン」もその1つで,球面調和関数,ポアソン画像合成,mesh processingなど,ゲーム開発においても様々な分野で見かけることがあります.
既存のアルゴリズムを参考に開発するだけであれば,数学的な理解は必要ないかもしれません.
しかし,最適化したい,応用したい,なぜかうまく動かないのを直したい,こういった場合は背景となる数学を理解する必要が出てきます.
ところが前提知識なしに、こうした数学の概念を独力で学ぶのは非常に困難です.
本講演では,ラプラシアンを学ぶ際のロードマップを示し,独力で理解するには何を学べばよいか(何を学ぶ必要がないか)を自分の知識や知りたい深さに合わせて知ることができます.
さらに応用例として実際の開発にも利用できる,mesh processingに関連したラプラシアンの説明も行います.
講演者プロフィール
長谷川 勇
オープンソース開発、ソフトウェアプロダクト開発、エンタープライズシステム開発などの様々な開発を経てゲームプログラマに。株式会社スクウェア・エニックスに入社後は、Luminous Studio、FINAL FANTASY XVの開発に参加し、VFX・UIを担当。専門は言語処理系。ACM SIGGRAPH Asia 2018 Real Time Live! Chair、情報処理学会ソフトウェア工学研究会運営委員、情報処理教育委員。共著『ゲームエンジニア養成読本』(Software Design plusシリーズ、技術評論社)。
《講演者からのメッセージ》
独力で数学を学ぶのって難しいですよね。
本講演では、ラプラシアンなど数学の特定の分野についてよりも、数学の学び方そのもの(の一例)を持ち帰ってもらえればと考えています。
もし興味がある方が多ければ第二弾、第三弾も?!
太田 友
九州大学数理学府数理学専攻落合研究室
第142回 日本数学会九州支部例会 講演
《講演者からのメッセージ》
CGなどの最新論文には難解な数学がたくさん登場します。内容は気になるけれど何が書いてあるかはさっぱりという人も多いのではないでしょうか?
本講演では、これから数学を学びたい人向けに、数学の裏側や成り立ちを紹介したいと考えています。よろしくお願いいたします。