『ポケモンGO』などのヒットにより、ARを使ったゲームが再び注目を浴びつつある。
だが、ARのコンテンツがさまざまな所で使われ、ARそのものは目新しくない状態になりつつある現状の中で、これからはARをどのように「体験」に結びつけていくかを考える必要がある。
2019年冬に東京ドームシティで行われた円谷プロダクションのイベント『かいじゅうのすみか 体感エンターテイメント』では、AR技術を使った謎解きをはじめ複数のAR施策が行われたが、そこではARがいかに無理なく物語や謎解きの中に溶け込むかを強く意識して制作された。
本セッションではどのようにARと物語体験を結びつけていったのかを解き明かすと共に、反省点や今後の課題も取り上げ、ARを使って物語体験の強いゲームを制作するにはどのようにすればいいかを考えるきっかけとしたい。
講演者プロフィール
石川 淳一
1986年からゲームデザイナー、ディレクターとしてPC版『大戦略』シリーズ、『凱歌の号砲』、『ジャンヌ・ダルク』などストラテジー系のゲームを中心にさまざまなタイトル開発に参加。
最近はARG(代替現実ゲーム)などの体験型ゲームに注目。体験型ゲームの情報サイト「ARG情報局」編集人。IGDA日本 SIG-ARG世話人。
CEDECでの過去セッションは「ARG:プラットフォームに依存しない新しい遊び方」(2011年)、「ロジカルにゲーム企画をやろう!」(2014年)、「トランスメディアストーリーテリングから学ぶ「ゲームで物語る」手法」(2019年)等。
《講演者からのメッセージ》
AR技術の可能性はハード、ソフト両方の劇的な進化によりどんどん広がっています。
本セッションが、ARを使ったゲームの物語体験を豊かにしていく、その参考になれば幸いです。
吉上 諒
スターティアラボ株式会社入社後、ARプロダクト「COCOAR」のプロダクト責任者に着任。
BtoBでのAR制作ツールのセールスを経験後、
コンシューマー向けのAR×エンタメ体験の企画・提供を行う新規事業を担当。
同事業がRGP(Real Game Platform)事業部として組織化し、事業部長に就任。
担当した施策には「V6『ある日願いが叶ったんだ/All For You』AR BOOK」「セガフェス2018」「かいじゅうのすみか
AnotherStory ~時を超える石碑~」などがある。
《講演者からのメッセージ》
ソフト・ハード両方での進化に伴い、ARをどのように体験に活用するか、というフェイズに進んできています。ARを使うことが目的ではなく、物語体験をより没入感の高いものにするためにARをどのように馴染ませていくか、技術面だけではなくUX上での工夫についてお話しできればと思います。
まだまだ課題は多いですが、AR活用の一助になれば幸いです。