近年のゲーム開発におけるバグは、大規模化や開発期間の長期化によって数が増大し、内容も複雑化する傾向にあります。また、バグは見つけて修正するだけではなく、様々な作業フローが必要です。本講演では、バグのワークフローを探索・報告・選別・修正・修正確認のフェーズに分けた上で、「龍が如くスタジオ」で取り組んできた自動テストや開発環境の自動化技術を活用し、バグにまつわる作業フローを最大限自動化した全自動バグ取りシステムについて、実際に運用した「龍が如く7 光と闇の行方」での事例を交えてご紹介いたします。
講演者プロフィール
阪上 直樹
ゲームプログラマとして「龍が如く」シリーズ等の開発を行う中で自動化に目覚め、現在は「龍が如くスタジオ」専属のQAエンジニアとして、開発環境やQAの自動化・効率化に従事。
過去の講演
KYUSHU CEDEC 2015 「龍が如く」の高速デバッグ術 ~そびえ立つバグの山を踏破するための弾丸ワークフロー~
CEDEC 2017 無料で始める!「龍が如く」を面白くするための高速デバッグログ分析と自動化
CEDEC 2018 次世代QAとAI 〜ゲーム開発におけるAI活用に正しく向き合うために〜
《講演者からのメッセージ》
CEDEC 2017でご好評をいただいた自動テストシステムをさらにパワーアップさせて、全力でバグのワークフローに活用した事例をご紹介いたします。厄介なバグへの対応を極限まで自動化したシステムとなりますが、一つ一つは地道な自動化の積み重ねになりますので、明日からご自身の環境に適用できる自動化事例を持ち帰っていただけるはずです。ご期待ください!
粉川 貴至
2008年株式会社セガにプログラマとして入社。Jenkinsを使った自動化環境の構築・整備を中心にその他開発ワークフローに関わる技術サポート業務に従事。
最近の講演:CEDEC 2017 Technical Artist Bootcamp 2017 vol.1 「Automation for TA」:「プログラマに頼らず使えるようになる。Jenkinsを使ったTA向け自動化入門」
ラウンドテーブル主催:CEDEC 2018 「プロダクション分野のプラクティスの中で開発における生産性向上のためのツールにフォーカスして議論するラウンドテーブル」など
《講演者からのメッセージ》
今回の取り組みは、過去のタイトルから積み上げられてきた自動化環境に対して自分自身は途中から技術サポートとして手助けする形で関わりました。
その立ち位置から見てこのシステムは高度な水準で実現されており、すべてを一朝一夕で真似することは難しいかもしれませんが、受講者の方それぞれの現場環境を進化させるためのヒントが散りばめられていると思います。
お楽しみに!