昨今、AIやXR(AR/MR/VR)の技術開発が加速するなか、エンターテインメントをはじめ、さまざまな分野において「人を笑顔にする」可能性が広がりつつあります。バンダイナムコ研究所は2019年4月1日の設立以来、最先端技術の研究開発を起点に『エンターテインメントの新しい価値を創出』する『エンターテインメント イノベーション集団』として、これまで培ってきたエンターテインメントの知見を最大限に活かし、世界中のイノベーターと積極的に共創を行うことで、『今までにない新しいアソビやエンターテインメント』を生み出し「人を笑顔にする」可能性を広げております。
2019年、デジタルの領域を超えてXR技術により「現実」や「人」が主役であるエンターテインメントの可能性を広げてきたバンダイナムコ研究所と、現実の領域を超えて「コンピュテーショナルデザイン」により建築の可能性を広げてきた日本を代表するイノベーターであり、株式会社NOIZパートナーで建築家の豊田啓介様との出会いがあり、すぐに共創が始まりました。
共創を通じて見えてきたのは、ゲーム開発者の新たな領域と役割です。
これまでゲーム開発者はゲームエンジンを使い、ゲームコンソールやネットワークを通じてデジタルな世界とアソビを世界中のユーザーに届けてきましたが、今やゲーム開発者は、現実世界すらも設計、シミュレーションできる「力」を手にしていることが共創から見えてきました。そして、この「力」を手中にできるのは、ユーザーを含めたレベルデザイナーであり、それは「現実を扱う」レベルデザイナーという新たな役割の創出に繋がります。
今回のセッションでは、NOIZ様とバンダイナムコ研究所の共同講演として、ゲーム開発の視点と建築・都市の視点双方向からこの新たな領域や役割を紹介します。ゲーム体験と建築・都市領域が高次に融合していくことで、現実空間すらも設計できる手法について、新たに開発したリアルタイムデモを交えながら世界初公開いたします。
講演者プロフィール
本山 博文
2019年4月1日に設立されました株式会社バンダイナムコ研究所に在籍しています。
GDCA(北米ゲーム開発者会議)会員、日本バスケットボール学会会員。
近年の主な業績として、SIGGRAPH ASIA 2018にて、"The player is the star” - Futuristic vision for Mixed Reality Worldが、VR/AR award VR/AR technology, Content award 2nd placeを受賞。
登壇実績は、
- VRST 2018 Opening Keynote - The Impact of VR on entertainment
- GDC 2018 VRDC ”Pac-Man HoloLens: Developing a Mixed Reality Game for a Broad Audience”
- SIGGRAPH ASIA 2018 course "From Video Game to Digital Playground"
https://www.slideshare.net/hirofumimotoyama
- CEDECでは、2009年、2014年、2016年、2018年、2019年と登壇しています。
《講演者からのメッセージ》
今年はオンライン開催へ変更となり、皆さまと直接お会いしお話できないことが残念ですが、より多くの方々に見ていただけるチャンスでもあると思っております。建築家、豊田啓介様との共創を通して見えてきたゲーム開発者の新たな領域と役割について、ゲーム開発の視点と建築・都市の視点双方向からこの新たな領域や役割を紹介します。昨年と同様、未来への妄想を掻き立てる刺激的なセッションにしたいと思っております。ご参加、よろしくお願いいたします。
豊田 啓介
建築家。東京大学工学部建築学科卒業。1996-2000年安藤忠雄建築研究所。2002年コロンビア大学建築学部修士課程修了(AAD)。2002-2006年SHoP Architects(New York)。2007年より東京と台北をベースに、建築デザイン事務所『noiz』を蔡佳萱、酒井康介と共同主宰。建築を軸にデジタル技術を応用したデザイン、インスタレーション、コンサルティングなどを国内外で行う。2017年より建築・都市文脈でのテクノロジーベースのコンサルティングプラットフォーム 『gluon』を共宰。東京藝術大学芸術情報センター非常勤講師、慶応大学SFC環境情報学部非常勤講師、情報科学芸術大学院大学 IAMAS非常勤講師。EXPO OSAKA/KANSAI 2025 招致会場計画アドバイザーほか。
《講演者からのメッセージ》
ゲームと都市という、一見ほとんど接点のない領域どうしが融合することで見えてくる可能性は、今だからこそ多様に広がりを見せつつあります。その全てではないですが、具体的な価値化の手法と可能性を少しでも皆様と共有できればうれしいと思っています。皆様からの活発なご意見、お待ちしております。