"FINAL FANTASY VII REMAKE"を始めとする現代の3Dゲームは前世代までのハードウェア上のゲームに比べ、コンテンツおよび3D技術の高機能化に伴い、膨大なQAコストがかかるようになっています。そのため、自動テストによる工数の削減、コストの低下が急務となっています。
本セッションでは3Dゲームにおけるシステムテストの自動リプレイに必要となる技術についてアーキテクチャのデータ構造と実行メカニズムを中心に解説します。
キャラクターやイベントを始めとして非決定要素を多数含むゲームのシステムテストを自動化する際には記録時と再生時に異なる可能性がある非決定要素に対する対処が必要となります。また、自動リプレイ自体がゲーム本体の動作に影響を与えてしまう問題も解決する必要があります。
本セッションで解説するツールはスタック実行マシンと記録時のマップ作成を中心として、非決定性の問題に対処したことを解説します。
また、ツールだけによる非決定性の対処だけではどうしても残ってしまう偽陽性による誤検知に対して自動リプレイの並列実行を中心とした対処方法についても解説します。
講演者プロフィール
太田 健一郎
開発支援ツール、テスト自動化を中心にエンタープライズSIer, Web事業会社、第三者検証会社を経て、2018年8月に株式会社スクエア・エニックスに入社。AIとコンピュータビジョンを使ったゲームQAの検証支援ツールの開発・保守を担当。
《講演者からのメッセージ》
ゲーム特有の面白さを構成する要素の一つが非決定性(ランダム性)です。
しかし、自動リプレイを実装するにあたってはその非決定性の対処が大きな課題となります。
本セッションではスタック実行マシンと記録時のマップ作成を中心とした非決定性の対処方法を説明いたします。
自動リプレイツールを検討している方や、現在の自動リプレイツールの精度をより高くしようと検討している方に受講をお勧めします。