大学の研究室で学部2年生を対象に行った「新しいゲーム機を考案し、そのハードとソフトを実際に制作する」プロジェクトについて、以下の2作品のデモ展示を交えながらご紹介します。
●TILE TILE (タイルタイル)
床に並べられたタイルを踏むことでプレイするゲーム機です。タイルを踏んでいく順番や踏むタイミングによって、タイルの色が変化します。赤外線光線銃による個別のタイルへのポインティングも可能です。タイルの配置とインタラクションの組み合わせによってパズルゲームやシューティングゲームが実現できます。
●Shadow World (シャドウワールド)
壁に投影された影絵を見ながらプレイするゲーム機です。本体は自走式のロボット光源となっており、移動しながらテーブル上の物体に光を照射することにより、壁面に「動く影絵」が映しだされます。プレイヤーは、ゲームコントローラを操作することにより、影絵を操作できます。奥行き感のある幻想的な影絵が映し出されるのが本作品の魅力です。
講演者プロフィール
橋本 直
2009年九州工業大学大学院工学研究科修了。博士(工学)。科学技術振興機構ERATO五十嵐デザインインタフェースプロジェクト研究員を経て2013年明治大学総合数理学部講師。2016年より同大学准教授。ヒューマンコンピュータインタラクションに関する研究に従事。
《講演者からのメッセージ》
大学での研究教育活動として、既存ゲーム機のHackやオリジナルゲーム機の企画・制作を行っています。今回展示する2作品はどちらもビデオゲームではない一風変わったゲーム機です。ぜひブースでご体験ください!
簗瀬 洋平
1995年より17年間ゲーム開発に従事。「ワンダと巨像」「魔人と失われた王国」などの作品に携わる。2012年より研究職に転進。2017年、無限に歩けるVRシステム「Unlimited Corridor」で文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞。著書に「消極性デザイン宣言」など。
《講演者からのメッセージ》
日頃からゲーム開発に携わるクリエイターは現行ハードに縛られがちですが「遊び」は本来そういったものに縛られず多くの可能性を持っています。「ゲームを作る」ではなく「ゲーム機を作る」だからこそ生まれる発想の飛躍と、既存の枠を外れることでの困難さについて展示を通じて議論させてください。