本セッションは、機械学習AIをサウンドデザインに応用するとこんな未来がある!という提案と事例紹介です。
サウンドエンジニアが長年培ってきた感覚的な判断基準をAI化することによって、作業効率化とクオリティ向上の両立を目指します。
そもそもAIとはなにか?基盤技術である機械学習の種類とケースに応じた使い方について、初心者にも判り易く解説します。
長年の課題をAIによって解決した事例として、ホームシアターをより深く楽しむヤマハの3D音場創生技術「SURROUND:AI」についてご紹介します。
既に最適化されたリソースの少ないオーディオのワークフローにAIを組み込むためのポイント、考えられる課題とその解決方法についてお話します。
講演者プロフィール
藤澤 森茂
2005年 ヤマハ株式会社に入社。
3次元音場創生技術「CINEMA DSP」をはじめ、オーディオ機器におけるデジタル信号処理を応用した新規要素技術の開発に従事。
2018年、映画のシーンをAIが判断し最適なサラウンド体験を提供する「SURROUND:AI」をリリース。
主に3次元音場処理の設計とサウンドデザインを担当した。
過去の講演
CEDEC2010:藤澤森茂、大橋紀幸、矢島友宏、土田善紀「ゲームサウンドにおける理想的なサラウンド体験提供への挑戦~技術交流の取り組み事例~」
《講演者からのメッセージ》
なぜ、サウンドデザインにAIを使うのでしょうか?
それは、数式化することができない、人間が持つ"感性"を組み込むことができる、人に寄り添った技術だからです。
プログラマーの皆さんだけでなく、サウンドデザイナーの皆さんからもご意見・ご感想いただけるのを楽しみにしています。
湯山 雄太
・2008年 ヤマハ株式会社に入社
AVアンプのデジタル信号処理部の開発を担当。音場創生技術の開発担当
・2015年 研究開発統括部にて機械学習とオーディオ信号処理を用いた要素開発に従事
・2018年 映画のシーンをAIが判断し最適なサラウンド体験を提供する「SURROUND:AI」をリリース。主にシーン解析AIの開発を担当
過去の講演は、
2018 AES International Conference on Spatial Reproduction
“Movie Scene Classification using Audio Signals in a Home-Theater System”
《講演者からのメッセージ》
ホームシアターをより深く楽しむ体験をAIによって実現した「SURROUND:AI」技術を事例に、人間の感性と機械学習の関係をメインにお話します。AIと聞くとハードルが高そうに感じますが、適用事例ではリソースに制約のあるAV機器への組込みを実現しています。ゲームサウンドにおけるAI活用のヒントにしてお役立ちできれば幸いです。