モバイル端末(スマートフォン/タブレット)向けのゲームは定期的にゲーム内容を更新し続けているため、サービス提供中はE2Eテストを含む各種テストを継続的に実行することが望ましいです。
またモバイル端末はハードウェアもOSバージョンも様々な端末が市場にあふれ、それら差異を含め実機上でのみ発生する問題を考慮すると実機上でテストを行うことが望ましいです。
これら2つの要件を満たすために、バンダイナムコスタジオではモバイル端末の基本的な操作を自動的に行うシステムを構築し、複数の実機端末で並行してE2Eテストを継続実行できる環境を運用しています。
このようなE2Eテストは1回のテストに10分以上も時間がかかる長編のテストとなるため、そのテストケースも長いスクリプトとなり記述することや保守することは難しくなります。一方でソフトウェアやハードウェアの問題だけでなくネットワークなど環境要因でテストが失敗することがあります。そのため私たちは長いテストスクリプトをわかりやすく記述できるテストフレームワークを導入して、さらにテスト結果を直感的に理解できるように動画による可視化を進めています。
本セッションでは、同様の長編テストの自動化に取り組む方々へ参考となるように、私たちが行ったテスト過程の動画化について、経緯と遭遇した課題に対する解決方法を解説します。
講演者プロフィール
平岡 忠志
1998年株式会社ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)入社、2012年バンダイナムコスタジオに転籍、現職。
入社以降は業務用製品の開発、特にネットワーク対応製品のネット周りの開発支援や社内システムの開発運用などを行っていたが、2018年に部署を移動し現在は自動テスト業務に従事。
《講演者からのメッセージ》
私たちはモバイルゲームのE2Eテストの自動化に取り組んでいますが、E2Eテストを安定化させる方法やテスト失敗時の原因調査の改善方法を模索し続けています。
本セッションではそういった取り組みの一部を紹介したいと思います。