デジタルゲームならではの物語手法として、一時期ナラティブ論などが話題となった。しかし、日本のデジタルゲームのストーリーテリングは、未だ小説や映画をベースにした物語手法に依存している場合が多い。
一方で、欧米で事例の多い、トランスメディアストーリーテリングを活用したゲームでは、現実世界とそこに存在するさまざまなメディアを活用することで、複合的な物語体験を与えることに成功している。
そこで、本セッションでは「CEDEC+KYUSHU2018」で行われたセッションをベースに、最新の事例なども織り交ぜながら、改めてインタラクティブメディアの「物語る」構造を考察する。国内外のトランスメディアストーリーテリングの事例を通じて、デジタルゲームの物語体験を豊かにするためのヒントを提示したい。
講演者プロフィール
石川 淳一
1986年からゲーム制作に関わり、PC版『大戦略』シリーズ、『凱歌の号砲』、『ジャンヌ・ダルク』などストラテジー系のゲームを中心に多数のタイトル開発に参加。
近年はARG(代替現実ゲーム)などの体験型ゲームに注目。研究のためと称し、全国の体験型ゲームに飛び回る日々。
IGDA日本 SIG-ARG副世話人。ARGの情報サイト「ARG情報局」編集人。
CEDECでの過去セッションは「ARG:プラットフォームに依存しない新しい遊び方(2011年)」「ロジカルにゲーム企画をやろう!~題材からのゲーム企画手法~(2014年)」等。
《講演者からのメッセージ》
「トランスメディアストーリーテリング」って知ってますか?
そこにはゲームの物語体験を豊かにするたくさんのヒントが詰まっています。
具体的な事例紹介を元に、ゲームでの活用方法について考えていきましょう!