Cygamesが開発・運営を行うデジタル・トレーディングカードゲームShadowverseでの分析事例をもとに、大規模ソーシャルゲームの運用においてデータマイニングの技術をどのように利用しているかを具体的に示します。運用タイトルでは毎日大量の行動ログがサーバーから吐き出されていますが、単に分析手法を適用しただけでは、ゲーム運用に活かせる知見を導き出すことはできません。アナリストが分析対象となるゲームシステムやデータの特性を完全に理解することで、はじめてその分析に適切な手法の選定やパラメータのチューニングを行うことが可能となります。本講演では、Shadowverseにおけるデッキのトレンド分析を題材に、分析を行う上で直面した問題を解決するために私達がどのようなアプローチをとってきたのかをご紹介します。
講演者プロフィール
鈴木 貴都
経歴:
2013年より株式会社Cygamesに所属。数多くの大型タイトルにて、データアナリストとして各タイトル固有の特徴を活用したデータ分析業務に従事。現在は、「神撃のバハムート」、「Shadowverse」のデータアナリストとして、ビッグデータの活用によるゲーム体験の向上を目指し、データマイニング技術の研鑽を重ねている。
《講演者からのメッセージ》
ゲームにおけるデータ分析は、KPI(Key Performance Indicator)分析のみに限定されるものではなく、ゲームの面白さを向上させるための分析も、極めて重要です。本講演では、この「ゲームの面白さを向上させるためのデータ分析」の事例として「Shadowverse」におけるデッキのトレンド分析を紹介し、実践的なデータマイニング技術の現場での活用方法についてお話しします。ゲームにおけるビッグデータの活用方法を知りたい方や、データマイニング技術によってゲーム体験を向上させる方法に興味がある方など、エンジニア、アナリスト、プランナーなどの職種を問わず、お気軽にご参加ください。
草野 友弘
経歴:
2016年に新卒として株式会社Cygamesに所属。「Shadowverse」ではサーバーサイドエンジニアとして主にカードスキルの開発やバトルの通信機能の開発を担当するとともに、データマイニングによる分析をゲーム設計に応用する研究を行っている。
《講演者からのメッセージ》
「Shadowverse」のような対戦型のカードゲームは特にバランス調整が難しく、これといったマニュアルのようなものが存在しません。しかし、どういった調整が必要かは、ユーザーがどのようなデッキで遊んでいるのか、そしてそのトレンドがどのように推移したかを追っていくことで少しずつ明らかになってきます。今回の講演では、そのために私達がどのようなアプローチをとったか、その過程でどのような知見が得られたかを皆様にご説明いたします。