ゲームの開発・運営において、魅力的なキャラクターを表現するシナリオは極めて重要です。しかし、新人からベテランまで異なる熟練度のライターチームが組織的・効率的に一貫性を持ってシナリオを執筆することは容易ではありません。そこで、弊社ではシナリオ文におけるキャラクターらしさを、その「話し方・口癖」と、「発話内容・好む話題」の2つの側面から学習するAIと、そのAIを利用するライティング支援システムを開発しました。これにより、新人育成における監修者の負担を軽減し、効率化を実現しています。本セッションでは、キャラらしさ学習AIの詳細と実際にトレーニングツールとして導入した際に得られた知見を紹介します。
講演者プロフィール
都築 圭太
経歴:
2015年に新卒として、株式会社Cygamesに所属。30本を超えるミニゲームを取りまとめる部署のエンジニアリーダーを務めた後、2016年よりCygames Researchにて研究開発に従事。現在は主にゲームのテキストデータを対象とした自然言語処理技術の開発に取り組んでいる。
《講演者からのメッセージ》
キャラクターを個性豊かに表現する台詞文のライティングには、高度な熟練とセンスが要求されます。私たちは、このような台詞文のライティング支援ツールとして、台詞テキストに込められたキャラクター「らしさ」の要素を、「話し方」と「話の内容」の両面から可視化するデータ分析システムを開発し、試験段階ではありますが実際に運用を行いました。本講演では、システムの開発及び導入に際し得られた知見をお話しします。シナリオの執筆を行う方から、テキスト分析に関心を持つエンジニアの方まで幅広くご参加ください。