人工知能学会とのコラボセッションとして、自然言語でユーザと会話をする対話システムの技術について解説を行う。対話システムの基本的な説明に加え、ユーザと雑談をするための技術、システムにキャラクターを持たせるための技術、ユーザの情報を会話から抽出するための技術、対話シナリオを自動獲得するための技術などについて触れる。本講演は、現在、ゲーム産業がぶつかっている「キャラクターとの自然な会話」という問題に対する解決の一助となることを狙う。
※ 本招待セッションは、人工知能学会とのコラボレーション企画セッションとなります。
人工知能学会公式サイト: https://www.ai-gakkai.or.jp/
講演者プロフィール
三宅 陽一郎
経歴:
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程を経てデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、DiGRA JAPAN 理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』『絵でわかる人工知能』(SBCr)、著書『人工知能のための哲学塾』(BNN新社)『人工知能の作り方』(技術評論社)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68)翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)最新の論文は『大規模ゲームにおける人工知能─ファイナルファンタジーⅩⅤの実例をもとに─』(人工知能学会誌 2017年、AI書庫にて公開)
《講演者からのメッセージ》
メタAIはこれから発展して行く分野であり、またゲームAIの中心となる分野です。80年代の難易度調整、00年代のレベルデザイン調整から、10年代には起承転結を含んだドラマ生成がメインテーマとなります。AIとゲームデザインの融合ポイントについて解説いたします。また人工知能学会とのコラボセッション「人工知能と対話システム 」を担当しております。キャラクターとの自然な対話は、本年、もっとも需要の高いゲーム産業における人工知能案件です。日本を代表するエキスパートである東中先生をお呼びしており、皆様にとってとても重要なセッションとなるかと思います。ぜひ、お越しください。
東中 竜一郎
経歴:
1999年慶應義塾大学環境情報学部卒業.2001年同大学大学院政策・メディア研究科修士課程,2008年博士課程修了.博士(学術).2001年日本電信電話株式会社入社.現在,NTTメディアインテリジェンス研究所にて勤務.対話システムや質問応答システムの研究に従事.NTTドコモによる「しゃべってコンシェル」「雑談対話API」,マツコロイドの雑談機能(大阪大学との共同研究),「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトなどに携わる.人工知能学会理事,言語処理学会編集委員,SIGDIAL board member.著書「質問応答システム」(共著).
《講演者からのメッセージ》
人工知能がさまざまな用途で使われるようになるに従い,対話システムも拡がりを見せてきています.今では,スマートフォン上の音声エージェントだけでなく,パーソナルロボットやスマートスピーカーとも対話をする時代です.対話システムのことを知っていただき,ゲーム開発や業務に役立てていただければと思います.