VRにおける「手」は一般的に、リアル空間における手の役割をいかにVR空間で再現するかが重視されています。例えば「掴む」「投げる」「押す」「指し示す」などがそれにあたります。私達はゲームを制作する中で、そうした現実の再現ではなく、「移動手段に使う」という形で手の利用を試みました。
このセッションでは、制作及びその過程での検証を踏まえて、以下のような内容をお話します。
・「手を使った移動」の類型
・他の移動手段との比較
・類型ごとの、実例紹介
・「手を使った移動」にまつわる要素と、それぞれの選択肢の評価
- 照準→伸ばすアクション→固定/解放→移動アクション→フィードバック
・検証して分かった課題
・ゲームデザイン上のポイント
・実装上のポイント
講演者プロフィール
稲村 創
経歴:
エンタープライズ系システム開発会社、Web系ベンチャーを経て2012年サイバーエージェント入社。ソーシャルゲームやモバイルゲームアプリの開発、技術戦略の策定などに携わる中Oculus Riftを体験して衝撃を受け、以降VRVR騒ぐ担当の人となっていたところ2016年12月より現職となる。
現在はVR/ARのアプリ、ゲームを開発しております。
《講演者からのメッセージ》
セッション内容や「受講者が得られるであろう知見」を読まれて少しでも興味を持たれた方、実際に体験されたい方は、是非お気軽にお立ち寄り下さい。
中地 功貴
経歴:
ユーザーに新しい体験を届けたいと考え、ゲームやVRコンテンツの開発を行っています。
iPhone 3Gを手にいれたことをきっかけにUXの魅力に触れ、大学ではゲーム開発にのめり込む。2015年、Oculus Rift DK2に感銘を受けVR開発を始める。臨死体験ができる『VR通勤電車』や、視界や音によって生み出す圧迫感に注目をした『至近距離ガールVR』など、VRによる新たな体験を模索している。2017年、名古屋工業大学 情報工学科 学士課程修了。同年、株式会社サイバーエージェント入社。
著書:『VRエンジニア養成読本』共著(2017) 技術評論社
《講演者からのメッセージ》
VRは没入感のある体験を作り出せることで注目されていますが、空間内での移動についてはまだ確立されていない状況があります。本セッションでは「手」を使ったインタラクションに注目をし、「直感的で自由度の高い移動」と「VR酔いの低減」を両立するために行った試行錯誤を紹介します。VR空間での移動についてお悩みの方は、是非一度お立ち寄りください。