太ったキャラクタが動いた際に体の肉が揺れる「二次動作」は生き生きとしたキャラクタアニメーションには欠かせません.しかし,既存となる高速な計算手法は,筋肉特有の「線維方向に依存した挙動」を表現することが困難です.そこで我々はキャラクタモデルに対し,局所的な硬さや伸びにくさを簡単に指定し,高速にシミュレーションを行うことが可能な肉揺れフレームワークを開発しました.本手法では,モデルに対して簡単な身体構造(骨,筋肉,贅肉)を定義し,力こぶの挙動など局所的な変形を付け加えることも可能です.
講演者プロフィール
金田 綾乃
経歴:
早稲田大学先進理工学研究科 物理及応用物理学専攻 修士二年 森島研究室
"Fiber-dependent Approach for Fast Dynamic Character Animation" CASA 2017 口頭発表
《講演者からのメッセージ》
ショートセッションにおいて簡易的な身体モデルを用いたキャラクタの二次動作生成(肉揺れ、力瘤)に関する発表をさせていただきます.
ぜひ皆さまの貴重なご意見お聞かせいただければと思います.
福里 司
早稲田大学 理工学研究所 次席研究員(研究院助教).
2017年3月, 早稲田大学大学院 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻にて博士号(工学)を取得.日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、2017年4月より早稲田大学に勤務.2014年に「動画の自動コミック化」の研究にて,第5回画像電子学会 西田賞を受賞.情報処理振興事業協会(IPA) 未踏IT人材発掘・育成事業 (2014/06-2015/03)にて「手描きアニメーション制作支援ツール」の開発.米国Adobe Research, Technologies and Imagination Labs (2015/07-2015/10, 2016/06-2016/09, 2017/04-2017/07)にて研究に従事.そこでの研究成果はAdobe MAX Japan2016にて公開.
詳細) https://sites.google.com/site/tsukasafukusato/index-j
《講演者からのメッセージ》
ゲーム業界や映像業界の皆様のお力をお借りして、「ユーザの意図を自由に反映させるための創作支援システム」の研究分野を発展させていきたいと考えています。ぜひご意見をお寄せください.どうぞよろしくお願いいたします.
森島 繁生
経歴:
1987年東京大学大学院工学系研究科修了。工学博士。1988年成蹊大学工学部助教授、2001年同教授。2004年早稲田大学先進理工学部応用物理学科教授、現在に至る。ここ数年CEDECでは、毎年講師として、キャラクタアニメーションやテクスチャ合成、レンダリング技術に関する発表をさせて頂いております。今年は、JSTのOngaCRESTおよびOngaACCELプロジェクトの成果の1つとして、ダンスモーション創作・編集・鑑賞支援に関わる研究成果と、キャラクタの2次動作(肉ゆれや肉の盛り上がり)の高速生成手法提案させて頂きます。
《講演者からのメッセージ》
キャラクタアニメーション生成に関する最近の森島研究室の研究成果を発表させて頂きます。
ボーンの動作に不随してキャラクタの身体の2次的な動作(肉揺れや筋肉の盛り上がり)を、局所的な異方性を考慮可能なシェープマッチングの改良方法と、階層的なボクセルのレイヤー制御により、高速に計算する手法を提案しました。先日のCASA2017でフルペーパー論文発表を行った内容です。
福原 吉博
経歴:
早稲田大学先進理工学研究科 物理及応用物理学専攻 修士二年 森島研究室
早稲田大学 博士課程教育リーディングプログラム 実体情報学博士プログラム
《講演者からのメッセージ》
ゲーム業界や映像業界の皆さまの貴重なご意見を頂きたいと思っております。宜しくお願い致します。
中塚 貴之
経歴:
早稲田大学大学院 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 森島研究室 博士前期課程
早稲田大学 博士課程教育リーディングプログラム 実体情報学博士プログラム
ACM, 情報処理学会, 学生会員.
《講演者からのメッセージ》
キャラクタの躍動感を表現する重要な要素である,モーションに付随した身体の二次動作を生成する手法についてのセッションです.