近年発表された論文 Strain Based Dynamics(2014)、Air Meshes for Robust Collision Handling(2015)、XPBD Position-Based Simulation of Compliant Constrained Dynamics(2016) に関して、実装に必要となる、技術や背景知識について解説する。ここで用いられる Position Based Dynamics (以下PBDと略す)と呼ばれる手法は、既に広くゲーム開発に応用されてきているが、近年の研究では、高速で安定した特徴に加え、より正確かつ堅牢で現実の材質の特性を反映した表現が扱えるようになってきている。本セッションでは、初学者向け PBD 入門から始まり、近年の重要な研究を3本まとめて理解することで弾性体やクロスシミュレーションに関してより高品質な表現の実現を目指す。
講演者プロフィール
中川展男
経歴:
岡山県倉敷市出身。2000年に(株)セガ・エンタープライゼス(現セガ・ゲームス)入社、コンシューマゲームの開発に携わる。2015年より(株)ポリフォニー・デジタルにて「グランツーリスモSPORT」の開発に参加。
CEDEC 2010 「インハウスツール開発事例:ソニックの開発に使われているツール紹介」
CEDEC 2014 「Position Based Dynamics Omelette コンピュータグラフィックス関連の最新論文紹介」
《講演者からのメッセージ》
一連の既存研究の内容をわかりやすく解説し、この分野の現状を捉え、受講者各自で実装することができるようになる講演を目指して頑張ります。宜しくお願い致します。