Shadowverseは、Cygamesが世界に向けて放つデジタル・トレーディングカードゲーム(TCG)です。本セッションでは、このShadowverseにおける、AIの活用事例を紹介します。モバイル/PCのマルチプラットフォームをサポートした対戦型思考ゲームのAIに求められる開発要件をゲームデザイン・運用の両面から解説するとともに、それらを実現するためのTCG思考エンジンについて御紹介します。本作のAIでは、継続的なカードの追加・イベント施策のための環境追従性と量産性を実現しています。また、プレイヤーのプレイング・盤面の変化に合わせたインタラクティブな感情表現と、モバイルゲームに必要とされる高速なレスポンス、多様なカードの能力を活かした高度かつ多彩な思考の実現を可能としています。これらを実現するためのエンジン設計と開発手法について、具体的な施策とともに開示致します。
講演者プロフィール
佐藤 勝彦
京都大学にてキリスト教学を専攻。
大学中退後、コンシューマ系開発会社にてタイトルのAI開発及び技術研究に従事。
2015年よりCygamesに合流。Cygames Researchにて
ゲームAIの研究開発及び、開発ノウハウの共有促進に努める。
Shadowverseにおいては、AI関連のアーキテクトデザインと実装、
開発フローの構築、監修を担当。
《講演者からのメッセージ》
トレーディングカードゲームは、多彩な能力のカードの組み合わせによる、
バラエティに富んだ戦術を楽しめるゲームです。
奥深いその魅力と対戦の悲喜こもごもを
ゲームのキャラクターとの対戦にも感じてほしい…
キャラクター達にも感じさせたい…
何よりユーザーにとって、
キャラクター達と過ごす時間がより楽しいものであってほしい…
ShadowverseのAIの開発は、そんな小さな願いから始まりました。
今回の開発事例が、より良いキャラクターAIの構築に
少しでも貢献できるのであれば幸いです。