ライトカリングは現在多くのゲームで使用されている高速化技術ですが、光の影響範囲を制限しなければならないという問題を持っています。そのため、光が遠くへ届かず、画像が実際よりも暗くなってしまうというバイアスが発生していました。本講演ではこのバイアスを回避し、シェーディングを高速化する“確率的ライトカリング”という手法について解説致します。この手法を使うことによって65536個のvirtual point lightsによる動的グローバルイルミネーションを120 fps (AMD Radeon R9 290X)で描画することが可能になります。また、本手法はバイアスが発生しないので、リアルタイムレンダリングだけでなく、パストレーシングのような正確さが求められるオフラインレンダリングにも用いることができます。本講演では確率的ライトカリングの理論と、リアルタイムレンダリング向けとオフラインパストレーシング向けのふたつのGPU実装について解説致します。
講演者プロフィール
德吉 雄介
平成19年3月信州大学大学院工学系研究科システム開発工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。同年4月株式会社日立製作所システム開発研究所入社(研究員)。最適化コンパイラの研究開発に従事。平成22年7月より現職。グローバルイルミネーションを中心にレンダリング技術に興味を持つ。
《講演者からのメッセージ》
経験者だけでなく、これからレンダリングの研究を始める方にも聞きに来て頂けたらと思います。
Takahiro Harada
Takahiro Harada is a researcher and the architect of a GPU global illumination renderer called Firerender at AMD. He developed Forward+ and GPU rigid body simulation solver which is used as a base of Bullet 3.0. Before joining AMD he engaged in research and development on real-time physics simulation on PC and game consoles at Havok. Before coming to the industry, he was in academia as an assistant professor at the university of Tokyo where he also earned his Ph.D. in Engineering.
《講演者からのメッセージ》
中辛くらいに味付けできるかと思います:)