CEDEC 2016において、モノビットとパートナー企業が発起人となり、
世界で最初となる "VRクラウド開発者会議" をスタートさせます。
VRクラウドとは、クラウドを用いた通信を活用したVRアプリのための、新しいカテゴリです。
マルチプレイゲームはもちろん、複数人によるリアルタイム共同作業を行うもの、
音声や映像の共同視聴アプリなどを含みます。
VRクラウドを実現するためには、通信遅延やスループットなどの点にとどまらず、
既存のオンラインゲーム開発の技術では足りないことがわかってきました。
そこで、本セッションでは、VRクラウドで今後必要となる低遅延・広帯域通信技術の概要と、
具体的な開発課題について共有を行います。
最後に、VRクラウドにおけるモノビットのビジョンを紹介し、
現在のモノビットの製品や技術の位置付けを、共同で製品開発しているパートナー企業とともに紹介します。
セクション内容
講演者プロフィール
中嶋 謙互
モノビット社 最高技術責任者(CTO)。
1974年京都に生まれ、小学生の時からゲームプログラミングを始める。
96年、世界初のJavaアプレットを用いたMMORPGを制作、いくつかのMMORPGが成功した後、
2001年にはオンラインゲーム用ミドルウェアVCEを開発し、約50社で利用され、
日本のオンラインゲームの黎明期を創出。
その後、国民的人気シリーズのMMORPGをはじめ、
様々なネットワークゲームの開発に従事。
また、シンラ・テクノロジー社ではクラウドゲーム用SDKの開発を主導。
著書に「オンラインゲームを支える技術 -壮大なプレイ空間の舞台裏」(技術評論社)、
CEDECなど講演実績多数。
《講演者からのメッセージ》
人間同士のリアルタイムコミュニケーションは、VRの利用方法のなかでも最もインパクトが大きいものです。
現在はまだ、解像度の高いVR空間を満足な速度で描画するだけで精一杯という状況ですが、
すぐ近い将来に、いかにそれをリアルタイム共有するか、という課題が開発者の主要な悩みになります。
いかに遅れず、いかに人数を増やしていくか。開発や運用のコスト、安全性も心配です。
このとき、クラウド上にある計算機や通信の資源をいかに活用するかが鍵になります。
それを総合したものが、クラウドVRという概念です。
モノビットでは、クラウドVRのための研究開発をすでに始めており、
いくつかのプロジェクトでは、クラウドのインフラを持っている企業とも共同作業を行っており、
具体的な成果が出ています。
モノビットでは、こうした成果をVRアプリケーション開発者の皆様と共有し、
互いにフィードバックをしあうことで、さらにVRをおもしろくしていきたいと考えています。
今回は「第1回」ですが、クラウドVRの探求は、まだまだ続きます。
成果の共有やフィードバックは、定期的に続けていくことになります。
本セッションで説明する概念は、技術者に限らず企画者や経営者でも理解可能です。
VRの次の主な課題であるクラウド活用について、興味がある方のご参加をお待ちしています。
本城 嘉太郎
株式会社モノビット 代表取締役社長。
1978年生まれ。神戸出身。
19歳の時に出会ったUltimaOnline、Diabloに衝撃を受け、将来ネットワークゲー ムを作ると決意。
システムエンジニア、コンシューマゲームプログラマを経て、
2005年にネットワークゲーム制作会社モノビットを創業。
20タイトル以上のネットワークゲームの開発と運営を手がける。
2013年にゲーム向け通信ミドルウェア『モノビットエンジン』を販売開始。
個人活動として、Cマガジン記事執筆、CEDEC講演、スッキリ!!出演など。
《講演者からのメッセージ》
モノビットでは、昨年からさまざまなVRコンテンツの開発に取り組んできました。
そのなかで気づいたのは、VR空間内での多人数コミュニケーション体験がもたらす感動と、その可能性の幅広さです。
MMORPG黎明期から僕らが夢見てきた、仮想空間内で生活できればいいのに...という願望を叶える使い道もあれば、
遠隔地の人々が同じ空間で共同作業をするなど、ビジネスや産業にも大きなインパクトを与える可能性があります。
そういったコンテンツを支える未来のネットワークインフラや通信プロトコルについて、
みなさんと意見交換できればと思っています。
大津谷 亮祐
1975年生まれ、京都府出身。
1997年にNetscapeに触れたのがきっかけとなり、Webを仕事にすることを決心。
ベンチャーを経て、2001年 NTTコミュニケーションズに入社。
ブロードバンドの導入期・成長期に、数々の映像配信/音楽配信サービスを立ち 上げた。
2012年から、研究開発部門でWeb技術チームのリーダを務め、HTML5の技術情報を発信するWebメディア「HTML5 Experts.jp」やWebRTCプラットフォーム 「SkyWay」を提供中。
《講演者からのメッセージ》
WebRTCなどの最先端の通信技術を使って、MMOやVRをもっとおもしろくする方法を、みなさんと一緒に考えていきたいです。
大石 良
1973年新潟市生まれ。
東北大学経済学部を卒業後、丸紅株式会社でISP事業に従事。
2000年にサーバーワークスを設立し、2008年に国内で初めてAWSのデリバリーを
始めたクラウドインテグレーターとして注目を浴びる。
同社は2014年にグローバルでも40社超しかいないAWSのプレミアコンサルティン
グパートナーとして認定を受ける。
翔泳社主催のDevelopers Summit2013ではスピーカーとしてベストバリュー賞を
受賞。
全国の情報産業サービス協会、AWSユーザー会、経済産業省セミナー等講演多数。
《講演者からのメッセージ》
ゲームの開発にクラウドは欠かせないテクノロジーになりつつあります。
特にこれから爆発的な普及が見込まれるVRとクラウドの関係性について、当社が
得意とするAWSクラウドと
モノビット社が進めるVRクラウドとの関連性についてお伝えします。