VRのような没入感のある映像体験においてプレーヤーは映像からのどんな影響を受けるのか?
なぜ人間って酔うの?映像酔いやVR酔いって何?べクションって?
映像酔い国際ガイドラインを策定中の産総研チームが映像酔いやVR酔いに秘められた謎を詳細に分析。
これまでに蓄積された様々な計測データを元に、ゲーム開発者のために分かりやすく解説します。
これからVRコンテンツ作成を始めるクリエーターさん必修!セッションの最後には映像酔い体験コーナーのおまけ付き!
講演者プロフィール
氏家弘裕
1991年東京工業大学大学院博士課程修了。同年カナダ・ヨーク大学博士研究員として運動視差による奥行き知覚研究に従事。
1995年工業技術院(現所属の前身)入所。運動視差や両眼立体視など奥行き知覚研究に従事するとともに、映像酔いや3Dによる視覚疲労に関する生体影響特性の研究に従事。また2004年の映像の生体安全性に関するISO国際ワークショップ開催を事務局として運営するとともに、翌年のISO国際ワークショップ合意文書(ISO/IWA3:2005)発行や、その後のISOでの映像の生体安全性国際規格化などに携わる。
主な著書(いずれも共著)
「視覚心理入門-基礎から応用視覚まで-」、「立体視テクノロジ--次世代立体表示技術の最前線-」、「人工環境デザインハンドブック」など
《講演者からのメッセージ》
VRにより現実にはそこに無い空間や事物を知覚し、操作できることは、驚きであり、楽しみであり、また新たな世界の拡張であって、こうした技術の進化を眼の当たりにすること自体楽しみでもあります。この技術の進化において、しばしば注目される「映像酔い・VR酔い」の問題をできるだけ解決するためにどのようなことができるのか、これまでに集められたさまざまな知見をもとに皆さんと一緒に考えていくことができればと思います。
渡邊 洋
1997年奈良先端科学技術大学院大学博士課程修了。同年工業技術院(現所属の前身)入所。VR装置を用いた人間工学研究に従事するとともに、映像酔いや3Dによる視覚疲労に関する生体影響特性の研究に従事。2007年より共著者である氏家弘裕とともにISOでの映像の生体安全性国際規格化に携わる。
主な著書(いずれも共著)
「心理学概論」、「現実に立ち向かう心理学」など
《講演者からのメッセージ》
昔ハワイのお土産でもらった3Dスライドが、私の初めてのVR体験でした。理屈はわかるはずもなく、ただ奇妙な臨場感と静けさに感動したのを覚えています。それから数十年、いまだにVRを見続けています。しかし新しい装置を試すときのドキドキ感は昔と変わりません。映像にせよ音にせよ、どうにも人は現実を切り取って別の時間と場所で再生することに萌えるようです。そのときお邪魔虫なのが「酔い」ですが、この仕組みを明らかにすることでVRを次の高みへ引き上げるきっかけになると思います。
板東武彦
1940年東京生まれ。
1966年東京大学医学部卒業、大阪大学基礎工学部、山梨医科大学を経て、2006年まで
新潟大学教授。
2004年から2008年まで新潟大学理事。
2008年から2014年まで科学技術振興機構、さきがけ事業「脳情報の解読と制御」技術
参事/アドバイザー
日本生理学会・神経科学学会・自律神経学会などに所属。
専門は神経生理学(眼球運動の脳内機構や複雑な視覚刺激が生体に与える効果の研究
など)であるが、映像刺激が人体に与える影響について東北大学、早稲田大学、産業
技術総合研究所、関連企業、日本眼科医会などと共同で研究し、国際規範文書の作成
にもかかわっている。