物理ベースシェーディング全盛の昨今。
我々は、比較的容易に写実的なレンダリング結果を得られるようになりました。
しかしその根底であるマテリアルの色や光の色、
きちんと根拠を持って設定し、計算していますか?
なぜ色はRGBで表せるのか。そもそもRGBとは、色空間とは何なのか。
sRGBやAdobeRGB、そして来るHDR TV時代の色空間をどう取り扱うか。
カメラで撮影したテクスチャの色は本当に正しいか。
複数の環境で撮影したテクスチャの色を合わせるためにはどうすれば良いのか。
そもそも、正しい色を撮るための機材は、何が必要で、どう選定すれば良いのか?
計測した色をどうやって検証し、補正するか。
実世界のマテリアルの正しい色を測定し、レンダリングし、
正しい色を出力するために、ゲームのための色彩工学をまとめてみました。
講演者プロフィール
内村 創
2008年、早稲田大学理工学部情報学科大学院卒、同年㈱ポリフォニー・デジタルに入社。
以後グランツーリスモシリーズの制作に関わる。近年は特に取材資料等の画像処理エンジニアリングを担当。
CEDEC2015でフーリエ変換を用いたテクスチャ解像度の推定について講演。
《講演者からのメッセージ》
弊社はとてもたくさんの取材資料を長期間にわたって扱います。
取材間に機材更新が挟まることもあり、機種間の差異を正しく扱う必要があります。
また、クルマは化粧品と並んで、もっとも正確な色再現を要求される商品でもありますので、
ある程度一貫したカラーシステムを自前で実装することになりました。
そこで得られた知見を共有させていただこうと思います。よろしくお願いします。