開発環境の整備は、「必要だ」と分かってはいても、ゲームの実装に直接寄与するものではないため、プログラマが「片手間で」行っていることが多いのが現実だと思われます。
私達は、これまで2年間、社内フレームワーク開発のプロジェクトで、認知され始めて日の浅い、ビルドエンジニアリングという職種を、「専任」してきました。
具体的には、以下のような「ビルド」に関わることを幅広く扱っています。
- CI(継続的インテグレーション) や CD(継続的デプロイ)
- バージョン管理
- ビルド時間の短縮
- コード品質の向上 や 自動テスト
本セッションでは、「ビルドエンジニア」という職種の紹介を通して、開発環境の整備が「簡単に・片手間」では難しくなっていること、また、専任する意義を説明します。
講演者プロフィール
篠崎 旭
2013年に株式会社バンダイナムコスタジオに技術研究職として入社。
ツール・ライブラリ開発に関わる中で、自動ビルドや自動テストなどに興味を持つようになり、社内初の専任ビルドエンジニアを志願。以後、現在に至るまで2年ほど、内製フレームワーク開発のためのビルド環境の構築・保守に従事。
最近では、フレームワーク開発のみにとどまらず、利用側であるゲームプロジェクトにも出張して、社内でビルド環境の構築を推進している。
《講演者からのメッセージ》
チュートリアルセッションでは、業務の紹介を通して、ビルドエンジニアという職種のアピールをさせて頂きます。 まだまだ歴史の浅い職種なので、これを機会に少しでも知名度が広がればいいな・・・・ と考えています。 私自身は、学生の頃から、ゲーム開発をしているはずが、肝心のゲームそっちのけで環境構築ばかりやっていたタイプです。 「意味もなくVisual Studio の設定を弄って比較してみる」「コミット.bat を作ってみる」などなど。 このような性質や経験が、ビルドエンジニアという職種を務める上での下地になっています。 既に環境構築に問題意識を抱えているプログラマの方はもちろん、 当時の私と同じように、「ゲーム実装以外の面でゲーム業界に関わりたい。でもそれが仕事になるのだろうか?」とお悩みの学生の方、大歓迎です!