Final Fantasy XV-EPISODE DUSCAE- は、最新の開発技術が盛り込まれたゲームエンジン Luminous Studio を使用して、全分野における高品質な体験の実現を目指して製作されています。
キャラクターAIでも同様に、キャラクターやモンスターの意思決定を作るための新しいAI技術を開発・導入し、昔からゲーム業界でよく使われていたステートマシンの仕組みと、近年、盛んに使われつつある柔軟性の高いビヘイビアツリーの2つを組み合わせたハイブリッドな方法で、AIロジックを組み立てる方法を採用しています。
本セッションでは、このハイブリッド技術を組み込んだグラフベースのGUIツール「AIグラフエディタ」を通して、大規模RPGゲームのキャラクターAIの作成方法をご紹介いたします。
講演者プロフィール
白神 陽嗣
交通系システムエンジニアを経て、2005年スクウェア・エニックス入社。
聖剣伝説 FRIENDS of MANA(Mobile)、キングダムハーツ コーデッド(Mobile)、FINAL FANTASY零式(PSP)の開発に携わる。
現在は、FINAL FANTASY XVチームにおいて、今回ご紹介する「AIGraphEditor」の組み込みや、AIで駆動するキャラクターたちの開発に従事している。
《講演者からのメッセージ》
FINAL FANTASY XV -EPISODE DUSCAE-に登場するAIキャラクターたちは、全て「AIGraphEditor」で動作しています。
これらのAIキャラクターがどのように作られたか、また、多様な表現の要求に応えるため、どのような工夫を凝らしたか、開発の裏側を余すところなくご紹介します。
三宅 陽一郎
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。デジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(世話人)、DiGRA JAPAN 理事、人工知能学会会員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』 翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)。ゲームAIラウンドテーブル・オン・ツイッターを主催。最新の論文は『デジタルゲームにおける人工知能技術の応用の現在』(人工知能学会誌 Vol.30, Webで公開)。論文、講演資料はブログを通じて公開している。「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」http://blogAI.igda.jp
《講演者からのメッセージ》
今年は3つの講演を行います。まず、最新のゲームAIの成果を取り込んだキャラクターAIの開発です。主に、RPGにおける意思決定における実装とツールをご紹介いたします。次に、2014年に行ったスクウェア・エニックス アカデミーについてのご報告です。これは、なかなか学ぶ環境のないゲーム産業におけるゲームAI技術を全五回に渡って講演・演習のカリキュラムを組んで実施したもので、その全体像をお知らせします。最後に「人狼知能」コンテストです。こちらは予選を行い「人狼」におけるAIを対戦するエキサイティングな大会です。是非、予選にも参加してください。「人狼知能」プロジェクト http://www.aiwolf.org/
並木 幸介
2008年より株式会社フロム・ソフトウェアにてAIプログラマとして「重鉄騎」「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」を開発。2012年、株式会社スクウェア・エニックスに入社。AIプログラマとしてLuminous Studioの開発に携わる。
現在はFINAL FANTASY XVチームにてエネミーキャラクターの開発を担当。
《講演者からのメッセージ》
FF15のキャラクターがどのように動いているか、分かりやすくご説明いたします。
FFのAIに興味のある方はぜひご来場ください。