独立系サウンドプロダクションを率いる著名プロデューサー/クリエイター陣を迎えたパネルディスカッションです。
外部プロダクションやクリエイターとのコラボレーションする理由は様々です。「近年プロジェクトが大規模化している/プロジェクト数が増加している」「社内には無いスキルを有している」「その作風を作品に取り入れたい」「制作コストを下げたい」etc... そしてその連携の必要性は年々増しています。
また、独立系サウンドプロダクションは、海外を含むさまざまなクライアントとの制作、アニメ/ドラマ/アーティストプロデュースなどゲーム以外の分野での制作、ファン向けイベント/コンサートへの出演など、幅広い分野で活躍しています。そんな立場からは「ゲームオーディオ制作の現在」はどのように映っているのでしょうか?
本セッションを通じて、インハウスクリエイターと独立系サウンドプロダクションの両者がより良いコラボレーションを行うためのヒントと、ゲームオーディオ制作の今後への課題を受け取っていただければ幸いです。
講演者プロフィール
中條 謙自
業界に先駆けてサラウンド制作、フォーリー録音、インタラクティブ演出を採り入れてきたチャレンジ精神を武器に、コーエーテクモゲームス時代には『戦国無双』シリーズや『討鬼伝』を始めとする数々のタイトルのサウンドディレクターを歴任。その後同社を飛び出し、2013年7月にサウンドプロダクションATTIC INC.(アティック・インク)を設立。サウンドプロデューサー&クリエイターとしてゲームオーディオの枠に囚われない幅広い活動を開始。CEDEC、GDC、AESなど各種カンファレンスにおける講演活動の他、アーティスト活動としてJGMF2013、沖縄ゲームタクト2014、Game Sound Maniax 2015 Beijing LV.1などへも出演。
http://www.attic-inc.co.jp/artists/kenji/
《講演者からのメッセージ》
本セッションのパネラーのみなさんは、幅広い分野で活躍する百戦錬磨の著名クリエーター達です。ゲーム制作の現場を客観的に捉えている彼らからの発言は、ゲーム制作現場に還元出来る要素が満載なはずです。そんな要素をたくさん引き出せるような司会進行、がんばっていきます!
光田康典
1992年スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社、1995年『クロノ・トリガー』で作曲家デビュー。
『ゼノギアス』等の作曲を担当した後、1998年に独立。
フリーランスで活動後、2001年プロキオン・スタジオを設立し、同社の代表を務める。
その後、『ゼノサーガ エピソードI』ではロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、
韓国MMORPGの『LIME ODYSSEY』ではチェコ・フィルハーモニー・コレギウム、
そして、『Soul Sacrifice』ではスカイウォーカー・サウンドを起用するなど、
海外でのオーケストラレコーディングを取り入れ話題となる。
現在はテレビや映画、アニメ、ゲームなどジャンルにとらわれない多様な作曲をこなし、
有名アーティストへの楽曲提供も手がける傍らで、国内外のライブ出演や書籍の寄稿も積極的に行う。
2014年には、人気急上昇中のヴォーカリスト、サラ・オレインの2ndアルバムをプロデュースするなど、
その活動を多岐に広げ活躍中。
《講演者からのメッセージ》
これまで多くのゲームサウンドに携わる傍ら、最近ではアニメ、TVドラマ、ドキュメンタリー、アーティストプロデュースと言ったゲーム以外の作品も手がける事が多くなってきているのですが、他のエンターテインメント作品とゲーム制作の違いであったり、それぞれの良いところ悪いところ、クライアントから見て無駄のない音楽制作(発注)はどのようにするべきかなど、少しでもお役に立てるお話が出来ればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
坂本英城
作曲家・株式会社ノイジークローク代表取締役。
4歳からクラシックピアノを学ぶ。中学時代にゲームと出会い、ゲーム音楽家になることを決意。早稲田大学を卒業後、8年間のフリーランスを経たのち、2004年に株式会社ノイジークロークを設立、作曲家兼代表取締役となる。
2011年5月には『無限回廊 光と影の箱』にて「世界で一番長いゲーム用書下ろし楽曲」(1曲で75分07秒)の作曲家としてギネス世界記録に認定。
2014年3月に「沖縄ゲームタクト2014」を企画・監督。同年9月にはCEDEC AWARDS 2014 サウンド部門最優秀賞を個人として受賞する快挙を果たした。
代表作:「討鬼伝」「勇者のくせになまいきだ:3D」「無限回廊」「タイムトラベラーズ」ほか多数。
《講演者からのメッセージ》
現代のゲーム開発においてサウンドの重要性は高まるばかりです。しかしながらサウンド開発というのは、開発終盤から本格的に動き出すパートであり、メーカー様が自社内にサウンド部門をおかれることはコスト面におけるリスクも伴います。
そうした中、私たちのようなサウンド制作を専門とするクリエイター企業の需要が増しています。私はフリーランスで8年間、起業をして11年間、ゲームメーカーの「外側」で長く活動をしてまいりました。このセッションではあくまで外注先という立場から、サウンドの発注はまったく敷居の高いものではなく、実はとてもカンタンで楽しいものであるということ、そしてクライアントのみなさまと一緒に一からサウンドを作り上げていく喜びを、私の実体験を元に語らせていただきたいと思います。
柴田徹也
大学を卒業後、株式会社カプコンに入社。同社のゲーム作品の音楽担当として活動を開始する。 カプコン在籍時にはモンスターハンター、ヴァンパイアシリーズ・パワーストーンシリーズ・バイオハザードアウトブレイクシリーズなど、20作以上のタイトルに関わる。 2009年には、作曲したデビルメイクライ4のテーマ楽曲"Out of Darkness"がアメリカ「G.A.N.G. award」のベストボーカル楽曲にノミネートされる。 2009年6月30日 - 株式会社カプコン退職後、同年7月1日に株式会社ユニークノートを設立。現在はゲーム、ドラマ、アニメの音楽制作を手がける。
《講演者からのメッセージ》
インハウスのクリエーター・独立したクリエーター、そして会社の経営者としての経験をもとに、様々なテーマに広い視点からディスカッションしていきたいと思います。宜しくお願い致します。