アニメやゲームにおいて,背景画は作品の世界観を表現する上で重要ですが,その制作には多大なコストがかかります.本セッションでは,既存画像の画風を反映させた背景画を実写画像から自動生成する最新の手法を紹介します.従来手法では,複数の絵画手法(水彩・油彩ブラシ塗り,グラデーション等)が混在するような複雑な画風の画像を入力に用いた場合,領域ごとに異なる“色遣い”や“塗り方”の特徴が混在した出力結果となる問題がありました.そこで提案手法では,異なる画風を持つ各領域の特徴を保存した画風の転写を可能としました.本手法ではさらに,動画像に対してもフレーム間の連続性を考慮することにより画風転写の適用が可能となっています.
講演者プロフィール
山口周悟
早稲田大学 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 森島研究室に在籍.
自主アニメーション制作の経験を生かし,アニメーターの制作支援を研究している.
Visual Computing / グラフィクスと CAD合同シンポジウム 2015 poster発表
SIGGRAPH 2015 poster発表
《講演者からのメッセージ》
最先端のゲーム業界、映画業界に携わっておられる皆様からの知恵をお借りしながら,「アニメーション制作支援の研究」の分野の一員として,業界に貢献できればと考えております。どうぞよろしくお願い致します。
福里司
2014年早稲田大学大学院 先進理工学部応用物理学科 博士前期課程修了.
現在,同大学院博士後期課程に在学.日本学術振興会特別研究員(DC2).
2014年度 IPA未踏クリエータ.
2014年 漫画風映像要約の研究で画像電子学会 西田賞受賞.
コンピュータグラフィックス,動画像処理に関する研究に従事.
本年7月より米国Adobe Procedural Image Group Internとして研究に従事.
URL) https://sites.google.com/site/tsukasafukusato/
《講演者からのメッセージ》
ゲーム業界や映像業界の皆様のお力をお借りして、「漫画やアニメ作品の制作に用いられる技法」の解析及び,「作者の演出を自由に反映できるディレクタブル創作支援システム」の研究分野を発展させていきたいと考えています。ぜひご意見をお寄せください.どうぞよろしくお願いいたします.
森島繁生
1987年、東大大学院電子工学専攻修了(工学博士)。成蹊大学工学部専任講師、助教授、教授を経て、2004年より早稲田大学先進理工学研究科物理学及応用物理学専攻教授。顔画像処理、コンピュータビジョン・グラフィックス、特にリアルタイムレンダリング、3次元形状復元・モデリング、ノンフォトリアリスティックモデリング・レンダリング、モーション自動合成などの研究に従事。
《講演者からのメッセージ》
本年度CEDECでは、森島研究室から2件の発表を行います。1つは、ショートセッションでBG Maker ~アニメ背景画生成システムの提案とゲーム応用の可能性~と題して、またインタラクティブセッションで、注視時間と注視位置が変化する際のキャラクタの頭部及び眼球運動の自動合成の発表を行います。また、レギュラーセッションでは、本年神戸で開催されるSIGGRAPH ASIA 2015の魅力について語ります。